ホテル客室清掃のお話。

ホテル客室清掃についての色々な話を、現場作業から現場責任者、担当者まで経験してきた人が語るっていうブログです。

辞めたのでちょっと暴露する……(注)大したことありません。

暴露するったって、守秘義務は辞めてからも適用されてしまうので、やばい話はできません。例えばどこのホテルに勤めていたのかについては、明言は避けます(守秘義務になるのかどうかはしりませんが)。後、誰それが不倫していたとかもヤバすぎます(笑)。なお、勤務地は京都であったとだけはいっておきましょう。ほとんどバレバレ寸前で語ってきたのでわかる人にはわかっていたとは思われますが。

 

というわけでお話しするのはできる限り役に立つ系です。

 

ホテル客室清掃というのは、やることの基本はどこでも同じでしょう。出勤時間があり、朝礼があって、清掃作業に入り、終わったら帰る、ってだけの毎日です。しかしながら、従業員の給与をカウントするにあたって、時給制度にしている場合、例えばこんな問題が生じやすくなります。

 

早くて綺麗な清掃をする人が、遅くて雑な清掃をする人と給与が同じ、ということは不公平。

 

時給制で、10時ー15時の5時間で時給千円だと、五千円貰えるわけですが、同じ時間で五部屋しかできない人と七部屋できる人で同じ給与というのはあり得ない話ですが、現実に人によってスピードは異なってしまうわけです。個人間の能力差というのは如何ともし難い話です。

 

じゃぁ、ということで、人手不足ですから、遅い人に時間をオーバーしてでも早い人と同じ七部屋のノルマを課してしまうと、これは五時間分しか給与を払わないのに、二時間オーバーさせるということでその分を払わないというのは違法です。

 

あるいはそれならと、七部屋出来る人がそれでは不公平だから、五部屋にして早く終わるけど給料は五時間分払って欲しい、というのも変な話です。四時間で終わって帰ってしまうのなら四時間分しか払えません。

 

ホテル客室清掃というのは、パート仕事と考えた場合、一般的な就労現場とはかなり異なり、能力差が大きく影響してしまうので、均一時給でやらせるのはかなり難しい問題があります。もっともこの仮定では一人一室清掃という考え方になっているのでその点は注意する必要があります。

 

ではこれを解決、あるいは不公平感を低減させるにはどうすれば良いかというと、単純に言えば部屋数の歩合制にすればいいのですが、それをそのまま実行してしまうと労働法規上は違法になってしまいます。給与はあくまでも時間単位で支払わないといけないというのが労働法規上の原則です。

 

以前にもこの話はしています。

 

hotelsekininsya.hatenablog.com

 

メイドさん達を個人事業主扱いにし、契約書を個別に交わして、請負契約とし、雇用契約という形を取らない、という方法ですが、これは完全に偽装請負であり、訴えられたら会社は負けます。やってるところが結構あるという実態は聴いてますが、ダメなものはダメです。

 

ではどうすればいいのでしょうか、という問題ですが、この話は違法な話なので暴露してもいいと思いますので言いますが、辞めた会社はまさにこれをやってました。勤めている間は自分にも及ぶ話なのでこのブログ上では曖昧に誤魔化したり出鱈目を言ってましたが。

 

もともと請負単価が安過ぎるので、地域最低賃金でやらせても赤字は必至で、あの請負単価で利益を出したいならこうする以外にありません。私は何度も時給にすべきだというような話を内々にはしていましたが、ともかく酷い話です。それが為に、メイドさん達には労働法は適用されず、労災も降りないし、失業保険もなく、有給なんてあり得ない*1世界の話になってました。

 

違法な話はさて置くとしても、この問題の根っこは請負単価の適正なレベルというものがあると思います。以前に見積もりの話をしていますが、きちんと見積もりすれば、企業の適正な請負金額というのは簡単に出てきます。

 

さて、それは踏まえた上での話として、ではどのように公平さを実現していけばいいのかという話をします。その為には、メイドさんの労働の質と量をどうにかして計測する必要があります。質については、メイドさん達のレベルに応じて時給にランクをつけるというものですが、評価基準をどうするのかについては色々な考え方があり、今回はちょっと難しい話なのでこれは割愛します。

 

もう一つの量は比較的簡単です。部屋数、部屋の種類や清掃のやり方などでの区分などを厳密にカウント出来るようにして、記録し、賃金に上乗せしていくという形です。カウントして集計し、データ処理して賃金計算するだけなので、簡単といえば簡単なのですが、これ、一応、請負制度のもとでやったのが私なのですが、実は集計する側はかなり大変です。過去にその辺の話はしていて、集計システムをわざわざかなりの労力をかけて作成して楽にはしましたが、あのシステムがなければお手上げでした。

 

で、おそらくそこまでやってるホテルなんてほぼないに等しいのが現実だと思います。多分、時給制であったとしても、実態は日給制、つまり早く帰ろうが遅くなろうが同じ給与しか払わない、というところが多いと思いますね。歩合制の部屋数だけというのはそこそこあるみたいですが、仕様が単純でないホテルでは部屋数だけでは不平不満を解消できませんし、一体どうやってるのか教えて欲しいです。

 

ともあれ、労働法規を守ってまともにやろうとすると、賃金計算は大変だという話でした。しかし、これなんの暴露話やねん(笑)。あ、もし賃金計算システム作って欲しいなら、コメントでお話しいただければ、ご相談させていただきたく存じますので、よろしくお願いします。

 

*1:厳密にいうと適用されると思います。何故かというと請負契約は違法であって、実態は雇用契約に相当すると判断されるからです。もし請負契約になっていて労災などで困っている方がおられたら、労基署等に相談してください。違法なのは会社であり、働いている人ではありません。

ご報告二つ。

えー、一つ目は・・・。

 

正式に辞めました。かなり勇気と思案が必要でしたが、決意だけは揺るがず、あとはいつ決断を下すだけかの問題でした。それで、辞めました。次はまだ見つかっていません。取り敢えず転職活動しながら、リフレッシュしたいと思います。とにかく、ズルズル居続ければ居続けるほど自分自身を巡る状況は悪化する以外に道はなかったので、スパッと辞めなければならなかったんです。ホテルの方はうまく行けばいいのになぁとは思ってます。自分の出来ることはやりましたし、あとはもう人手不足さえなんとかなれば、やがては値上げにつながり、きっと会社も赤字に悩まされなくなるでしょう。でも私自身は居続けることは無理でした。

 

二つ目。全然関係のない話です。ブログのテーマにも何にも関係ありません。小説連載し始めたので出来たら読んでほしいなぁという話です(汗)

 

kakuyomu.jp

 

これが金に繋がればいいのにと思いはしますが、まぁ99.999%無理ですw

ともあれ、頑張って面白くしようと考えまくって書いていますので、楽しんでいただけたら最高に嬉しいです。ご興味ある方はどうぞ是非読んで下さいね。ていうか、読め!(笑)

 

あと、このブログはまだ止めるつもりはありません。会社を辞めたので、守秘義務負ってる部分以外なら、書けることはいっぱいあります。現場にバレようと会社にバレようと私にはなんにも関係のないことですからね。もちろん、現場にも会社にも迷惑かけるつもりは一切ありませんし、そんなことは書きません(書く時は嘘を混ぜて迷惑かけないような形にします)。

 

というわけで今後ともヨロシクね!

ステンレス熱焼け取りの効果について。

 

hotelsekininsya.hatenablog.com

 

この記事の中で紹介したステンレスの熱やけ取り。実は一緒に写真も載せようと思ったんだがその時は見つからなかった。今回、見つかったので下記に載せます。写真はトリミング等調整せずそのまま。

 

熱やけ取り施工前

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 熱やけ取り施工後

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実際、熱やけ取り剤はほんのちょっと使うだけです。上の場合なら、蓋の裏一枚につき小指の先程度をウェスで全体に擦り付けて数分待って拭き取り、あとは水洗いするだけ。よくわかりませんが、成分の何か酸みたいなのがステンレス表面に働いているんだと思われます。ジフなどでこすっても傷だらけになるだけだし、こんなあっさり見事なまでに綺麗になるのにびっくり、嬉しがってしまい、百台以上のポットを処理したと思います(笑)

 

こちらからは以上です。

客室清掃責任者を始める上で立てた戦略。

今から二年強くらい前にホテルの客室清掃責任者となったわけであるが、前回書いたような請負単価の問題はずっと前から知っていたので、私の戦略の基本は単価アップをどうにかして実現すること、だった。結果的に単価アップは若干ながらも果たせたので、百点とは言えずとも、及第点だとは思う。

 

ともかく、戦略的にやらないとうまくいかないという読みが最初からあった。何故戦略的にやらないとうまくいかないかという説明の前に、戦略とは何かという、私個人の考え方を説明する。そんなに仰々しいものではなく、かなり大雑把なものだ。

 

戦略とは何か

辞書で引くと「組織などを運営していくについて、将来を見通しての方策」などとある。この意味からいうと、大切なのは「将来を見通」す事であり、しっかり目標を定めてそれを達成する為に計画的に業務を進めることである。計画自体は何度修正しようと構わないが(実際、失敗したアイデアは多い)、将来の目標、すなわち「単価アップ」だけは変わることはない。いずれにせよ、どんな些細な事柄であろうとも全ての目的は単価アップを果たすことでなければならない、というか少なくとも単価アップにつながるものでなければならない。

 

何故戦略的でなければならないか

漠然とした考えを排除する為だ。例えば、厳しく指導してたら品質も上がるだろうし、不備も減るだろうし、そうすれば多分ホテルサイドも信頼が増して、単価アップにつながるだろう、などというのがそれである。それではあまりに漠然としていて、具体性がなく、まるで精神論が過剰すぎて敗戦に至ったかつての大日本帝国軍隊みたいなものである。それも一つの戦略と言えないこともないが、戦略と呼ぶにはあまりに中身がないと言わざるを得ないだろう。戦略的でなければならないとはすなわち、百パーセント達成できるとは言わないまでも、目標達成をより確実にするものでなければならない、ということだ。

 

戦略は達成後を見据えたものでなければならない

というのは、継続的に単価アップが繰り返されるような流れを作らないとダメだってことである。あまりに安いからと行って大幅アップなど無理だし、かといって一度程度の小規模アップで納得されても困る。とすれば、一年契約更新単位くらいのスパンで値上げを繰り返すことが可能な流れの基礎を作らなければならない。その為には、品質などについて現状維持だけを目論んでいては絶対ダメで、絶えず向上していけるような背策を講じる必要がある。それもできる限り客観的なCSなどの数値指標のようなものが必要。実際に値上げを許可する権限者は部屋など先ず見ないのだから、数字が大事なのだ。

 

顧客は何を必要としているのか、を知ること

当然、不備を減らしたり、品質を上げるということは前提されているのだけれども、求めていることに対してお金が足りないと思わせないと、値上げというわけにもいかない。極端な話であるが、別に不備や品質は現状維持でホテルサイドがいいと思っていたりしたら、どんなに頑張ったって値上げなんか応じるわけはない。せいぜいが「いつも頑張っていただいてありがとう」程度の表明があるだけだ。もちろんそれは極端な例で、もしそんなホテルならば値上げなど最初から諦めるしかない(最低賃金の値上げなどで上げざるを得ない場合を除く)。

 

何れにしても、ここで大切なことはフロントとのコミュニケーションであることは疑いの余地はない。ただ単に相手の思惑を読み取るだけでなくて、こちら側の意思もなるだけ理解してもらう必要もある。前回の記事で述べたように、今の金額ではきついということをきちんと理解してもらわない限り値上げには結びつかない。私は何度も支配人から「頑張りが足りないのだから値上げなどちゃんちゃらおかしい」のようなことを言われ続けた。だから、実際にはそんなことはなくて頑張っているが無理なものは無理と理解させようと根気強く頑張ったのだ。で、「なるほどー、確かに今の人手不足をなんとかしないと品質上げるのも難しいよねー」とある時おっしゃられたのを聞いて私は涙した(してないしてないw)。

 

出来ることは全てやる、しなくていいことはしない、という区別が大切

常にお金のことを頭に入れよ、という話である。これまた前回話したように、基本は現在の清掃単価で出来ること以上のことはしてはいけない。逆に、その範囲内で出来ることは全部やる。・・・つったって別にきっちり時間を測れと言ってんじゃないしそんな必要もない。この辺のことは、ちょっと細かくなる話なのであるが、実際私が過去で色々と書いてきたことを読めば少しわかると思う。効率化を進めて出来ることを増やしたりとか、色々工夫したりとかで、コスト内に収める、みたいなね。でもコストをオーバーしちゃいかん、という話。

 

 

あとは、具体的な話になりすぎるので割愛。大体は今まで書いてきた中に多分ほとんど書いてます。実際には、仕事しながら計画してって感じで並行的にやってましたけど、戦略の大雑把な感じみたいなのは責任者になってすぐに大体は掴んでました。でも、うまくいくのかなぁという不安はめっちゃくちゃあって、めんどくさいからやめちゃおうかなぁと思ったこともしばしば。普通に、特別なことも考えずに責任者業務やってたらもっと楽だったかもしれませんしね。でも、難しいことやった方がしんどくても楽しかったのは事実です。・・・・自分の給料も上がらんのにバカなことしてんなぁとも思ってましたが(笑)

 

ではまたー

何度も言うけど基本はお金だよ、と言う話。

ある日、あるサイトの口コミで「客室が埃が溜まっている箇所が残っていてきちんと清掃されてないとしか思えませんでした」と書かれた。

 

しかし、客室内の埃(の堆積)を跡形もなく全て除去するだなんて無理だ。何故か。

 

理由は簡単だ。そこまで可能な料金単価設定になってないからだ。以前にこういう話をしている。

 

hotelsekininsya.hatenablog.com

 

ここで、大切なのは客室清掃時間だと言っている。時給であれ違法かもしれない請負歩合制であれ、おそらく大抵は「一室単価」という考え方で料金設定がなされている。かかる経費の最大の部分はメイド人件費だから、結局は、客室清掃時間が最も大きく清掃品質に影響を及ぼす。

 

実際にメイドを何室も頑張ってやった上での結論だ。メイドさんたちの清掃時間も調べ上げている。結局は、やたら綺麗な人はそれだけ時間をかけて清掃していて、早い人は杜撰な清掃しか出来てないのである。で、私が必死こいて考え抜いてほぼ手抜きゼロの状態で清掃しても、設定した客室清掃時間をどうしてもクリア出来ない。その上、それでも後で自分自身でチェックしてみると拭き残しとかあったりするわけだ。

 

絶対無理、出来っこない。

 

だいいち、責任者故に分かっていることなのだが、実際のところ、まだそれでも清掃作業は十分には程遠い。他にもまだやって欲しいことはある。カーペットのシミ取り作業もやって欲しいし、カーペットの部屋の隅を掃除機ノズルを付け替えて丁寧に除塵作業もやって欲しい。家具の引き出しは一旦抜いて丁寧に拭き作業して欲しいし、乾拭きだけで済ませている箇所もできるだけ水拭き&乾拭きにして欲しい。壁面のホコリ取りもやって欲しいし・・・・と実は挙げたらきりがないくらい他にも綺麗にして欲しいと思うところがある。でもそんなレベルどころの騒ぎではないのだ。そこまでやってたら最低賃金を遥かに下回る給与しか払えないだろう。

 

そこをどうにかして、一部を週間メニュー化したりして工夫はしてきたものの、物理的に不可能なものはどうやったって無理である。

 

・・・・というようなことを、支配人に理解してもらうのに一年かかったという話。いや、二年かな。最初の頃、支配人も「あなたの会社が請け負ってるんだから、責任を持って問題のないように清掃する必要がある」という考え方がこびりついていて、お客さんのクレームなどあってはならないという態度で我々に接してきた。だが、単価設定上そんなの絶対無理なのだ。

 

で、私はあまり神経質に、いちいち報告されてくる不備に対応することはせず、地道に減らしていける可能性のある不備を分類して、あくまでも全体の不備件数を減らすことを重要視した。すると、例えばカーペットの隅のホコリ取り作業が無理であっても、そのことでクレームが出てさえも、支配人はあまりうるさく言わなくなったのである。最初の頃は、「あなた私の言ってること聞いてます?」と支配人に非常に厳しい疑いの目を向けられてて結構きつかったですけどね。

 

大事なことは不備やクオリティ以外にもあって、可能な限り客室清掃は早く終わらせる必要もある。シティホテルではお客さんはアウトしたい時間にアウトするし、インしたい時間にインしてくるので、お客さんをお待たせしないことも大切なことなのだ。だからこそその意味でも清掃時間は重要だし、不必要なまでに清掃に時間をかけさせてはいけない。だからこそ、今の料金単価設定ならば、可能なクオリティはここまで、みたいなラインがあることをホテル側に理解してもらわないと、値上げにも繋がらないだろうと言う読みもあった。だって他のホテルと競い合ってるわけだからね。

 

こっちとしては、料金を上げてもらい、人手不足の解消だけでなく、それ以上に人を増やして一人当たりの担当部屋数を減らして一室あたりの清掃時間をもっと取りたい、というようなことも昨年の末ごろには支配人と話せるようにまでなった。なるほど、としっかり理解してもらえた。支配人が料金単価の決定権を持つわけではないけど、でもまずは支配人に理解してもらわないとね。

 

以上は、当たり前の話なのだけど多分当事者以外にはわかりづらい話でもあるのだろう。ともあれ、料金は上げてもらわなければならないが、私の給与はあげるつもりは微塵もないらしいので辞めるしか無いってわけである(笑)

 

 

 

過炭酸ナトリウム、その他色々便利なもの。

1.過炭酸ナトリウム

以前、シャワーカーテンの匂いでこんな記事を書いた。

 

hotelsekininsya.hatenablog.com

 

で、コメント欄でエリーさんという方に過炭酸ナトリウムを勧められたのだが、効果はわかっているが使い勝手が悪過ぎるので使えないと返答した。でも作ってすぐ使う限りは効果は絶大だ。

 

暮らしの過炭酸ナトリウム 500G

暮らしの過炭酸ナトリウム 500G

 

 

効果として確かめたのは、主に①アンモニア臭やシャワーカーテンなどの悪臭退治、②枕などに付着した血痕落とし、の二つであるがいずれも効果は絶大であった。過炭酸ナトリウムのメリットは処理後に匂いが残らない事。ブリーチなどの次亜塩素酸系漂白剤だとあのカルキ臭がどうしても多少残ってしまい気になるところだが、過炭酸ナトリウムならその心配は全くの不要。

 

しかしながら、十分な効果を発揮させるには前述したとおり作ってすぐ使う必要があり、作り置きは出来ない。過炭酸ナトリウムはお湯や水などに溶かすと、炭酸ナトリウムと過酸化水素に分解する。この過酸化水素の酸化力により消臭やシミ取りなどに効果を発揮するわけなのだが、過酸化水素は放置すると酸素と水素に分解してしまうから放置できない、というわけだ。これは作ってみたらすぐわかる。大量の過炭酸ナトリウムをお湯で溶かしてペットボトルに入れて蓋をしたら1分も経たずに爆発してびしょ濡れになった経験があるw

 

そういう欠点はあるものの、クエン酸重曹、あるいはその他の消臭剤系のものでも取れないような悪臭に対処したいような場合には非常に役立つとは思う。なお、血痕落としの場合は過炭酸ナトリウム以外はあり得ないと言いたくなるほど効果があります。ちなみに血痕落としにはブリーチなどは効果ありません。

 

なお、ほとんど大抵の場合は普通に清掃するだけで、匂いも取れるしシミも取れるので過炭酸ナトリウムなど使う必要はない。だから使うときは劇的な効果を求められる場合に限るという使い方をするのが正解。従って、説明書に書いてある分量の何倍もの濃さで使うべきである。ただしガス抜きを忘れずに。

 

2.ウェーブハンディワイパー  

ユニチャーム ウェーブ ハンディワイパー 本体セット×3個

ユニチャーム ウェーブ ハンディワイパー 本体セット×3個

 

なんでわざわざ3個セットを紹介するのかというとAmazon商品紹介で貼ろうとする時にちゃんと本体写真が出たのはこれだけだからである。ともかく、多くの人がこれに類するようなハンディモップを使用されていることかと思うので今更ここで取り上げてもどうかなぁとも思ったが、意外に知らない人もいるかもしれないと思ったのであえて上げてみた。

 

こうしたハンディモップが優れるのは特に手が入らないような隙間のホコリ取りなどである。特にウェーブのハンディワイパーだと1センチ程度の隙間でも埃を取ることができるので重宝している。これと似たような商品は他社からも出てるとは思うが、意外にもプロ用資器材としての商品はないみたいなのが不思議。プロはそんな細かいことは気にしないのかな ?

 

3.マイクロファイバークロス

マイクロファイバークロスと言っても色々あるが、ここで取り上げたいのは例えばこんなの。

 

 

保水性・吸水性が高くそれ自体の洗浄性能も高いので、ガラスや鏡の拭き掃除ならこれ一発で乾拭きなしで行けてしまう。昔に比べると結構安くなってきたように思うので是非持っておきたいものである。とにかく表面に水滴を残さないので拭き掃除が楽しくなること請け合い。

 

4.軍手

 

ミタニ 軍手 日本一DX 1ダース

ミタニ 軍手 日本一DX 1ダース

 

 は?と思われた方も多いかもしれない。いやこれね、もしそういう清掃箇所があるならばこれ以上便利なものはないよーという意味での紹介。例えば、実際そういう目的で用具を探すとこんな商品などがあったりする。

 

 そう、ブラインド掃除。でも軍手の方がはるかに簡単なんだよねw あんまり汚れすぎのブラインドだと困るけど、ささっとやるには軍手が簡単。通常のブラインドクリーナーだとブラインドを挟むところで合わせるのに手間取ったりするけど、軍手ならそんな面倒もありません。作業時、手近に掃除機を置いておくと軍手掃除しながら出来るので便利だよ。

 

というわけで、ちょこっと思い出しただけの便利用品を四つほど紹介してみた。清掃資器材なんて家庭用から業務用まで本当に腐るほどあるけど、馬鹿と鋏は使いよう、みたいな部分もあって実際に使えるってことが重要。皆さんも何か便利なものがあったら是非私にご教示くださいまし〜☆

メイド作業時間は一室何分くらい?

最近は訳あって、ほとんどメイドばっかりやってるんだが、どーしても作業時間がこれ以上早くならない。うちのホテルでは基準時間というのが一応あって、一室40分平均ということになっているのだが、どーしてもこの40分より早くならないのだ。

 

応援要員として入っていた頃から数えると、多分ざっと10年くらいは経験あるのに、そりゃずっとやってたわけではないけど、とにかくそれなりの経験者ではあるはずなのに、どーしてもこの40分を上回る目処が立たない。私よりずっと早い人はいくらでもいるのにね。最も速い人は一室平均20分でやってしまう。もっとも、その人たちが相当の手抜きをしていることは知っている。人手不足の上に安い賃金しか払っていないという現実があるので、そうした手抜きは容認する他ない。とは言え、40分かかる私からするといくら手抜きしても20分など絶対に無理だ。あれやこれや思いつく限りギリギリの、チェッカーを騙せる程度の手抜きを全部やったとしても30分を切ることすら不可能だ。

 

ちなみに、今のホテルの清掃のやり方というのは、一室につき、部屋の扉を開けるのはチェッカーだが、そこから先の清掃はいわゆる剥がしからタオルやらアメニティのセットまで含めて全てを一人でやるというスタイルになっている。で清掃後チェッカーのチェックを経て完了ということになる。世の中にはいろんなホテル客室清掃のスタイルがあって、剥がし担当を置いているところや、アメニティセットをチェッカーがする、あるいは2名以上で仕上げる、など様々なスタイルがあると思うけど、私の耳にした範囲内の話ではあるが、私のいう一室一人清掃がどうやら業界では最も普通のスタイルらしい。とは言え、ホテルそのものの仕様がホテルごとに違うから、単純な比較はできないわけだけど。求める品質や、あるいは清掃のやり方など様々な違いもあるだろう。

 

ともかく、どーやっても40分を切ることが出来ない。結論的に言えば、原因はわかってて、私は基本的に動きが遅いのだ(笑)。ゴミ箱にゴミ袋をセットするという単純な一つの作業ですら明らかに遅い。他の作業の早い人の動きを見てるとほんとそれがよくわかる。超絶速い人の作業ぶりを見てて、早回しを見ているとしか思えなかったこともある。多分、動きの効率で言えば他の人とそんなに大差ないと思うが、個々の動きそのものが遅いので太刀打ちできないのである。もうほんと嫌になる、要するに私、メイドには全く不向きなのだ。そうとしか思えない。

 

もちろん、ほとんど手抜きせずにミスなど皆無の状態で(一応責任者だからねw)平均40分だから、全くの設計仕様通りというわけで何の問題もないのではあるが、自分的にはガッカリだ・・・とほほ。

 

今回なんでこんなこと書いてるかっていうと、ぼーっとユーチューブ見てたら、私のホテルなんかより数段クラスが上のホテルの客室清掃が紹介されてて、しかも全然広くて清掃箇所も多いのに、たったの5分しかオーバーしない、つまり一室45分と言うのでびっくりしたからだ。細かい部分で違いがあるのだとは思うが、私もまだまだ修行が足りないのだなぁとつくづく思う次第なのであったw