ホテル客室清掃のお話。

ホテル客室清掃についての色々な話を、現場作業から現場責任者、担当者まで経験してきた人が語るっていうブログです。

チェッカーというお仕事。

ちょっと間が空いてしまった。飽き性というか、めんどくさがりというか、マメな人間ではないので、ブログやっても続かない事が多い。何事も継続が命とか言うけども、継続するって難しいのだ、少なくとも自分自身にとっては。

 

そもそも努力が大っ嫌いな人間だ。人生今まで努力してきたといえるようなことは何かあるか?と自分に問うても・・・・うーむ・・・・って感じなのである。困った人間に育ってしまったなぁとつくづく思う。後悔先に立たずじゃないけども、これまでの人生振り返るとどう考えたって、あの時もっと努力してたらなぁ、と思うことも屡だ。・・・何の話だ?(笑)

 

今回は「チェッカー」の話。

 

これまでの記事では意識的にチェッカーという名称すら出さずに書いてきたが、何故書かなかったかというと、メイドという仕事の方は概ね一般的なのに対し、チェッカーはホテルによって随分違うからである。ほぼチェックだけの仕事から、責任者的な役割を果たすものまで現場によって様々で、仕事内容もホテルや契約仕様などによって大きく異なるので、私は身バレが恐いので書けなかったのである。なお、当然うちにもチェッカーはいる。

 

チェック作業にしても全然違う。例えば、時間で考えてみると、1室1分も掛からないところもあれば、10分掛けても終わらないようなところさえある。ホテルが違えばそこまで違うのだ。また、チェッカーの他にインスペクターなどと呼ばれたりする人がいて、チェッカーのやったあとをさらにチェックするとか、そんな仕様だってある。逆に、メイドさんがチェッカーを兼務する場合もある。

 

だから、例えば、別のホテルでチェッカーしてたから他のホテルでもチェッカー出来ると思ったら間違いである。もちろん、経験が生かされる場合も多いし、経験があるに越した事はないが、各ホテルのやり方に大きく依存するということは覚悟しておいた方がいいだろう。

 

で、どうもその、「チェッカー」という職種に対する誤解があるようで、うちの会社でもそうなんだけど、チェックだけやってたらいい、と思われがちなのだ。既に述べたようにチェックは主たる業務ではあっても、ホテルによって仕事内容は様々なのである。私が小耳に挟んだあるホテルでは、チェッカーは毎週一回順繰りに責任者業務をする、なんてところがあった。だから、もし、募集広告に「チェッカー募集」とあってそれに応募する場合でも面接では出来るだけ仕事内容を聞いた方がいい。甘く考えてたら、研修するだけでも時間の無駄って場合も出てくるだろうしね。

 

というわけで、チェッカーという職種についてなかなか一般的なことは書き難いのだけど、私の知る限りで言うと、チェッカーの仕事はチェックする事ではない。チェックして部屋を売れる状態にする、それが仕事である。客室はホテルの商品であり、客に提供してよい状態の客室だけが売れる客室であり、売れない状態の部屋を誤って売れる状態だと判断してはならない。チェックはそのために行う作業であるに過ぎない。だから、ほとんど大抵のチェッカーは部屋の仕上げをメイド任せにはせず、ある程度は自分でやってしまう。例えば微妙なところの埃を取ったりとか、そんなのまでメイドにいちいちやり直しさせてたら延々終わらない。

 

場合によっては、「これでは売れない」と判断を下さないといけない場合だってある。代表的なのは取りきれない臭いだ。そういう場合は、フロントに連絡して、臭いが取りきれないことを報告し、後はフロントに任せるということになるだろう。そうした売る・売れない(かも知れない)という判断を適切に行うのがチェッカーのお仕事なのである。だから、ある意味、チェッカーを置いているホテルにおけるチェッカーの果たす役割は、非常に大きい。例えば、好調にも満室近くに予約が入っていても、売れない部屋が出たらそれ以上売れないわけであり、その部屋分だけ売り上げを上げる事は出来なくなる。チェッカーはそのぎりぎりの判断を毎日している事になるのだ。

 

・・・と、真面目にチェッカーについて語ってみたが、内情をチラッと告白すると、どうもそこまでの認識をうちのチェッカーがしているかどうかは、数名は疑問である。どうしてもチェッカーという自分に冠せられた名前に拘ってしまうのか、チェックして不備が無かったらそれでいい、と思っているらしい。別にそれが悪いとは言わないし、もちろん不備が少ない・出ないに越したことはないから、それはそれで認めてもいいけど、しかしそれでは品質が上ってこない。

 

これまで何度も書いたように、人手不足(+低賃金)という厄介な問題を抱えているから、スタッフに対して厳しい事はあまり言い難いので、「不備が出ないだけではダメだ」といった趣旨の話は滅多にしないんだけど、実際のところ不備にならないような事でも品質を向上させたい・向上させられることはいっぱいあるので、出来ればそういうことも実は考えないといけないのがチェッカーなんだよ、って言いたいんだよね。

 

ところで、もしチェッカーしてみたいという人がいるなら、チェッカーはメイドとの人間関係で、色々ある(笑)ということは憶えておいた方がいいだろう。つーかさ、ホントここの現場ってメイドもチェッカーも人を選びまくるので大変なんだよ、責任者の私は。あんまり詳しく書けないけど、まじめっちゃ気を使いまくり。気疲れで最近死にそう(笑)。