ホテル客室清掃のお話。

ホテル客室清掃についての色々な話を、現場作業から現場責任者、担当者まで経験してきた人が語るっていうブログです。

こまけぇこたぁいいんだよっ、とは申しますが。

夏がとうとうやってまいりました。くそ暑い!くそ暑い!くそ暑い!・・・と言ってもほとんど大抵のホテルではエアコン冷房ガンガン効かせまくりで涼しく清掃されておられるでしょうけどねw

 

客室清掃では、夏の方がいいというメイドさんも多いのですが、その大きな理由はバチッとあの嫌な静電気が夏はないから、です。静電気と言うのは実はベッドのシーツではなくて、冬場の人体表面が乾燥してるから生じるんだそうです。乾燥していると電気が逃げる為の水分が少ないので、体に静電気が蓄積されてしまい、結果たくさん溜められた静電気が一度にドカンと流れてしまうのでバチバチなるという理屈。とは言え、要するに夏は発汗してるということなので、水分が体から失われてしまうため、水分をこまめに取らないと熱中症になりますので気をつけましょうね。

 

さて当ブログも客室清掃に関するネタをいっぱい書いてきて、身バレしない範囲で書かないといけないと言う制約から、なかなかネタが思いつかなくなってきたと言うのが最近しょっちゅうブログ書くのをサボってしまう大きな理由なのですが、今日、自分で洗剤とかの準備をしていて、ちょっとそうした洗剤などの細かい話でもしてみようかなー、と思った次第。

 

洗剤にはアルカリ性と酸性と中性があって、最近ではアルカリ電解水とかもあって・・・みたいな話はしません。そういうのはググれば済む話だし、実際のところ無数に洗剤は存在し、洗剤のPHだけでは語れないくらい種類があります。唯一つだけ知っておかないといけないのは、洗剤と言うものは全て(※例外もあります)界面活性剤を主成分とする、ということです。

 

化学的な話をすると、界面活性剤は基本的に親水基と親油基という部分で構成される分子構造を持ちますが、難しく考える必要はありません。要するに親水基があるから洗剤は水に溶け込み、親油基で汚れを抱きこむんです。もっと簡単に言うと、洗剤は汚れ成分をひっ捕まえて水の中に引っ剥がしてくれるものなのです。だから、大抵の洗剤は、例えば洗剤をかけて少し待つだけで汚れの取れ方が違ってきたりします。

 

で、最近の洗剤は界面活性剤自体の性能はもちろん、他にも色々な成分が入っていたりして、汚れをもっと取りやすくするとか、或いは除菌性能を持つとかそうした働きもあるので、出来ればそういう洗剤の性能を有効に使うべく、洗剤を掛けてから少し時間を置く方がベターなのです。よくあるのが、洗剤を掛けてすぐに擦ったりし始めて泡立たせた方が汚れが落ちやすいのでは?と言う誤解です。実は泡って洗浄には関係ありません。むしろ純粋な理屈から言えば泡立たない方がいいのですけど、泡立つのは界面活性剤自身の性質なのでどうにもなりません。ただ、泡には別の性質があり、例えば泡立つ濃度が洗浄が最も効果的な濃度と分かるとか、或いは泡の性質で洗浄面にある程度引っ付いてくれる、など無意味と言うわけでもありません。

 

しかし、それでもすぐに泡立たせるべきではなく、洗剤の能力を有効に使うには少し待ってから擦ったりする方がやはりベターなのです。漬け置き洗いなどを思い浮かべれば分かるかと思います。それでうちのホテルでは、先ず最初にバスルームのトイレに洗剤を掛けてから、そのまますぐ洗うんじゃなくて例えばバスタブ洗いをしてからトイレを洗いなさい、などという教育をしたりしています。その効果が出ているのかどうかまではよくわかんないんですけど、清掃の順序って大事なんだなーと思わせることは少しくらいは出来ているかも知れません。

 

あと、その洗剤なんですけど、ほんとに色んな会社から色んな洗剤が出てて、選ぶのを考えるのも嫌なくらい、一度選び出したらめんどくさいんですが、変えてみるのもいいと思います。私なんかは本来の職業柄「洗剤屋っつーのは嘘付きばっかで困る」と思ってしまうほど色んな洗剤使ってきましたが(笑)、いやほんと、売り文句がいい事ばっか書いてあるから何がいいのかさっぱりわかんないんですけど、そこそこ当たる事もありました。洗剤ってのは洗剤の基本性能だけじゃなく、コストもあるし、使いやすさもあれば、臭いの面でどうかとか評価ポイントが色々あるんですが、今うちで使っている洗剤は昨年変えたものなのですが、ベストとは言わないまでもなかなか優れた洗剤なのかなーと思ってたりします。トイレだけじゃなく何でも使えるんで、非常に便利ってのがポイントだったんですけどね。トイレの臭い対策にも多少はなった、ってのも大きいかな。

 

あと洗剤だけじゃなく、道具などもちょこちょこ変えてます。とにかく、メイドさんたちに細かい事は言わないのに、そういうところには何故か拘る細かい私です(笑)。

 

ともあれ、今年は暑くなりそうです。夏バテしないように頑張りましょうねー(・ω<)☆