ホテル客室清掃のお話。

ホテル客室清掃についての色々な話を、現場作業から現場責任者、担当者まで経験してきた人が語るっていうブログです。

これからのホテル客室清掃とは。

いつものとおり間が空いてしまったこのブログだけど今回は人手不足が主因である。出来る限り現場を理由としての退職はないように、必要以上に厳しくしないとか、コミュニケーションとるとか、要望は出来る限り聞くとか、様々な努力はしているが、現場が理由ではない事情で辞める人も当然いるわけで、その分の不足を新人雇用により補えないと、結局のところ責任者である私がどうしても補わざるを得なくなる。

 

出来る限り食べるようにはしているのだが、それでも2ヶ月で3~4キロ痩せた。元々の体重だって少ないのに、ホテル責任者の仕事の多忙さでそこから痩せていたところにさらに痩せてしまった。それでも、過労だけは避けたいと、メリハリをつけて仕事をするようにしてるので、今のところ体力面での問題はないわけだが、ブログを書くような余力はなかったというのが本音である。

 

人手不足を解消するには、つまるところ金しかなかろう。実際にメイド作業をやってみるとあまりに時間がなさ過ぎる。こんな短時間で不備なく綺麗に仕上げないといけないとか、冗談にも程がある。だが金を稼ぐには、部屋数をこなさざるを得ないのが現実。そういう金銭的事情もあって、私はスタッフに必要以上にきつく言わない事にしている。そのクォリティに見合った賃金が払えないからだ。

 

私のいるホテルがどこだかは特定されたくはないのであまり詳しくは書けないが、メイドさんの給料を考慮に入れると、多分、地域ではトップクラスのクオリティであることに疑いの余地はほとんどない。ほんとに良く頑張ってもらっていると思う。毎日のように多目の部屋数をこなしてもらわないといけないので、メイドさんにはほんとに頭が上らない。正直言って、良くこんな安い賃金で働くなぁといつも思っているが、働いてもらえるのは賃金だけではないからだと自分なりに労働環境を良くしようとがんばってみたりはしているのだけど、、、、。

 

前にも書いたけど、客室清掃単価が安いのは、引き受ける業者が安値で叩きあったからに他ならない。経営者同士が、あそこは一室いくらでやってるとかそういう情報を真に受けて、値引き合戦をやった結果がこれである。それが結局業者自身の首を絞めて、その末端で働くメイドさんたちスタッフを苦しめている。うちのホテルなどはあまりに安すぎて他業者からもその値段では出来ないといわれている。安値で引き受けてくれるうちのような会社を見つけたホテル側だけがほくそえむこの構図。仕事がないと食っていけない、自ら仕事を発生させる事がほぼ不可能なビルメンテナンス・清掃業界の足元を見られたのである。業者同士に競争させればコストを下げられる、と。

 

で、タイトルの話になるわけだが、もちろん今後、最低時給を上げるなどの政府の政策もあって、これ以上に下がる事はなく、徐々に賃金は上っていくだろうことは間違いない。メイドなんかは成り手が少ないから、賃金(やその他の待遇面)でつり上げていくしか道はない。政府だって外国人観光客をどんどん伸ばそうとしているし、引く手あまたの売り手市場になる筈だ。だから、客室清掃メイドって言う仕事は今後は絶対食いっぱぐれはないよ、・・・と宣伝したいところなのだけども、求人募集広告を見てるとそれでもなお業者間が様子見していると言うか、劇的に上ってる様子は伺えないのが何とも言えないところと言うか、やっぱ業者って弱いんだなぁと思ってしまった。

 

ならば、いっそ客室清掃の現場で働くメイドさんたちが協力して労働組合でも作ったらどうかと思う。もちろん現状ではそんなの夢物語だけど、メイドさんが働いてくれなかったら困るのは業者でありホテルなわけであって、仕事を出す側よりも仕事をする側のほうが現状ですらも力関係としては上に十分なれる気がする。一致団結してストライキなんかされたらホテル・業者はたまったもんじゃないと思うんだけど。

 

お前が音頭取れ、と言われても困るけどね。