ホテル客室清掃のお話。

ホテル客室清掃についての色々な話を、現場作業から現場責任者、担当者まで経験してきた人が語るっていうブログです。

トイレットペーパーの三角折りは将来なくなる?

こんな記事がヤフーで配信されていた。

headlines.yahoo.co.jp

 

いずれ記事リンク先が読めなくなると思われるので、下記に要点を示す。

 

  • あるツイッターユーザーが病院のトイレで見かけた張り紙について写真付きで投稿した。
  • その張り紙には、「患者さんへお願い トイレットペーパーを三角折にしないでください 用を足した後の手を洗う前に、トイレットペーパーを折ると、便中や尿中(感染している場合)の細菌などの微生物が付着し、細菌感染する可能性が高くなることがあります」とあった。
  • 清掃業界では手洗い洗剤で有名なサラヤが取材に対し「ふん便やおう吐物に接する場所であるトイレでは、感染症が起こりやすいです。ふん便など用を済ませた手によって、トイレットペーパーを親切心から三角折りする事は、かえって、手から汚染を広げてしまう可能性があります」と回答。またノロウィルスについてトイレが感染源と推定される場合があり「細菌やウイルス等の病原微生物は非常に小さくて人の目では見ることができません。いくらトイレがきれいに見えていても病原微生物が潜んでいる可能性があります」と注意喚起。

さて、私は過去にこんな記事を書いている。

 

hotelsekininsya.hatenablog.com

 

要するに私は本音では、衛生上の理由ではないが、三角折りなど不要だと思っていると言うことを書いていたわけだ。

 

であるから私はこの流れが進むのであれば、大賛成だ。ホテル客室清掃に関わる人たちが「綺麗に見せたい」と思うのはなるほどいいことである。だから、三角折りする限り、「綺麗に折れ!」と指導するのも仕方あるまい。だが、よくよく考えて欲しい。例えば冒頭で示したような衛生上の問題を考えると、清掃作業であちこち触れた手で三角折りをわざわざすることは感染を広げる、あるいはまた逆に自分自身が感染してしまうことでもありはしないか。

 

もちろん、現実の話をすると、これは結局のところイメージ・心象の問題ではある。病院ならば院内感染という厄介な問題があり、免疫力の落ちた患者さんに集団感染して大問題になることが度々あるから神経質に対応せざるを得ない。だからなるほど病院では三角折りはしないことにしておくという工夫も必要だろう。病院は見た目じゃなく衛生上の観点で可能な限り綺麗でなければならない。だがホテルはあくまでも見た目を中心とした印象がまず第一で、世間的な認知がない限り三角折りは続く。

 

でもね、三角折りそのものが印象・イメージだけの存在に過ぎないんですよ。私は三角折りはだから大っ嫌い。清掃しましたって印だから必要? 何言ってんのさ、三角折りなんかなくたってちゃんと毎日清掃してるじゃん。あるいは逆に三角折り出来てたって不備がある場合があるわけでしょう? 上の過去記事でも書いたけど、あなた家の掃除でも三角折りしてますか?普通しないでしょ?

 

私は別に綺麗に見せる工夫を否定したいのではない。ベッドだってビシッと皺なく貼るべきだし、タオルだってバシッと見栄え良く折りたたむべきだし、並べたり揃えたししなきゃならないものはそれこそミリ単位(は言い過ぎかw)でビシッと合わせる、みたいな努力は大好き。でも三角折りは別。単にみんながやるから仕方なくやってるだけとしか思わない。正直、清掃業界で三角折り程無意味な作業はないと思ってる。

 

とにかく、三角折りがなくなる方向に進めばいいのになぁと思います。