ホテル客室清掃のお話。

ホテル客室清掃についての色々な話を、現場作業から現場責任者、担当者まで経験してきた人が語るっていうブログです。

超絶細かい指摘をするお客様。

客室清掃のレベルを上げる、というチャレンジは面白いものではある。限られた人材、限られた時間、限られたコストの中でも実際出来ることは多い、というのが1年以上現場責任者をやってきた実感である。業務の全体を俯瞰的に把握する事の出来る現場責任者の特権みたいなところがあって、ここをこうすれば、そっちはああなって、あっちはこうなるから・・・みたいな全体を一つのシステムと考える事でレベルを上げる事が出来るのである。

 

具体例を挙げよう。毎日の清掃作業というのは肉体的に大変で、にも関わらず仕事を増やしてしまうと逆にレベルが下がってしまう危険性がある。例えば、ある箇所の埃を取れてないと言うクレームに対応しようとして、メイドさん全員にそれだけを指示したとしても、今まで余りそういう箇所の埃を取っていなかったのなら、その作業分増えるだけで、他の部分の不出来が生じかねない。なので例えば、余り問題のなさそうな箇所の清掃作業を一週間に一回にしてしまうとかして作業量自体を減らしつつ、その問題箇所の埃取り作業を加える、という風にすると作業量を余り変えないでレベルを上げる事が可能になるのである。

 

この例は比較的単純な例であるが、こうした考え方は非常に有効でメイドさん個々人のレベルの違いに依存しないで全体のレベルを上げる事は十分可能なのだ。他にも人をどう動かすかとか、誰それに何をやってもらうか等々、現場責任者が直接客室清掃しなくたって出来ることは非常に多いのである。現場責任者をやり始めた最初の頃は「もっと優秀な人を多く欲しいなぁ」などと思ったもんだけど、ないものねだりをしても仕方ない。人のレベルに依存せずに、品質を上げる仕組みを作ったほうが結果的に楽、ということもある。

 

だがしかし。

 

たまに、・・・・いや結構しばしば、物凄いお客様が宿泊される事がある。どう物凄いかと言うと、「えーーーー!?いくらなんでもその指摘をクリアするのは無理だろ!」と頭を抱えざるを得ないレベルのクレームをつけるお客様がいらっしゃるのである。カーテンの裾の端に付いた僅か直径5ミリほどのよく目を凝らさないと見えないくらいの薄い染みを指摘された時にはほんとに心の中で「こ、・・・これは無理だろ」と思ったものだ。

 

或いはまた、バスルーム内のトイレ便器の裏側の、どうやったって直接は見る事の出来ない箇所の汚れを指摘された時には、もうね、あなたいったい何者なんですか?と小一時間問い詰めたくなった事もある、マジで。

 

とてもじゃないが、そんなの不可能と言うしかないレベルのクレームを言って来るお客様に対してはお手上げだ。或いは不可能とまではいえないが非常に難しい事も言われた事は度々ある。日常の客室清掃では通常取れないような汚れであるとか(毎日特別清掃でもしろっつーのか)、掃除機が入らないベッド下の埃であるとか(毎日ベッドをどけろとでも言うのか)、そーゆーのね。

 

一体、そーゆーお客様たちはどんな世界で暮らしているのか? 普段はどういう生活をしているのか?、見当も付かない(笑)

 

で、そうした厳しい厳しい超絶厳しいお客様がアンケートで五段階評価で清掃を最低とするもんだから、一気に平均点数が下がるっつーかね。こっちは頑張ってレベル上げてんのに点数が下がるんだよ!wカーテンの裾の隅の薄い小さな染みだけで、たったそれだけでどーして五段階評価の1なんだ?www

 

つか、なんでこのホテルに泊まるんですか?(^^;)

現場責任者は複雑な人間関係に悩むの巻。

全国の客室清掃に携わっておられる皆様はいかがお過ごしでしょうか? 地域によっては忙しかったり、暇になったり色々あるとは思われますが、うちのホテルは満室近い稼働率が続いていて、人員は相変わらず不足しておりますのでその調整に毎日頭を悩ませる日々が続いております。時給1500円でも2000円でも払えれば楽に集められるかも知れないのですが、この請負金額ではどうにもなりません。ただでさえ実態は赤字でございます。何せ、比較して現場スタッフよりは給料の高い本社社員の応援無しには回らない現状ですからね。私自身がそうですし。安いんですよ、私の給料。でも、さすがに本来雇うべき現場責任者に支払う給料よりは幾分高いので。

 

しかし、聞いた話では他のホテルでも人手不足が酷いところが多くて、酷いところだと一人のメイドさんが本来メイクする部屋数が倍近くになってるところもあるそうで、まだまだうちのホテルは恵まれているのかなぁと思ったりもします。とにかく、やりくりを工夫しまくって、手を抜けるところがあれば力の限り手を抜かせて(笑)、聞き入れてあげる事があれば出来る限り聞き入れてあげて、現状スタッフの一人として現場を理由には辞めさせない様、あらゆる手段を講じているところでございます。その甲斐もあってか僅かではありますが現場スタッフの紹介を通じて若干名新人が増えたりもしています。ありがたいお話です。

 

ところでしかし、仕事の中で発生する様々な人間関係トラブルと言うのは、たくさんの人間がいますからどうしたって生じてしまいます。みんなが協力してやらねば出来ない仕事なので、例えば誰かさんが片づけをしないだとか、挨拶もしないだとか、或いはまたあの人の部屋は手伝いたくないだとか、そういう色んな不満はちらほらこちらにも届きます。これが、そう言われているその人だけを指導して何とかなるのなら簡単なんですけど、ほとんどの場合そうではありません。

 

例えば片づけをしないと名指しされた当人にお話を伺うと、自分はやらないといけない事はきちんとやっていると言う。で、確かにそのとおりきちんとやってたりするんです。で、「なんだちゃんとやってるじゃん」とかと思って、名指しした人にもう一回聞いてみると「あの人はそればっかりやってるけど、他にもやらないといけない事はあるのにやらないんですよ」と。で、もっかいその当人に事情聴取するとそのとおりその他にもやらないといけない事はやってない、がしかし、それにはカクカクシカジカな理由がちゃんとある、とか言うわけです。そう、大抵話はそう単純ではないわけなのですね。

 

で、実は本来の問題はそこじゃなくて、当事者同士の不信感が他にあって、過去にあんな事やこんなことがあって根に持ってたりする。・・・・おまいら、仲良くしてくれよー、と。ほんとに困った話です。そういう妬みや恨みみたいなところで「あの人を注意して下さい」みたいに私に言ってくる人もいます。ほんと、そういう人間関係の複雑なところをコントロールするって難しい・・・つか、本来そんなの私には向いてない仕事なのでして、本気で私は一人で仕事したいんです!w

 

しかしホテル客室清掃責任者として現場に磔の身になっておりますので逃げられませんから、ない知恵絞ってどうにかするしかないんですけどね。大抵の場合はのらりくらりかわしてたりするんですけど(笑)。

 

ただそれが、仕事の中身に関わってくるのであれば、そうのらりくらりかわしている訳にもいきません。例えば、バスタブをしっかり洗わないメイドさんがいる、などの場合はやはりどうにかしてしっかりみんなに洗ってもらわないといけない。これが単に「しっかり洗って下さい!」と言って済むなら簡単なんですけど、個々人のレベルや性格など色々と違うからそういう問題が起きるのであって、ならば具体的に対策を採らないといけない。例えば今以上にバスタブを洗いやすくする方法をみんなに提示するとか、そういうことです。そうする事でそうした不満の声を減らす事が出来ます。

 

人によってやり方は様々だと思います。そうした不平不満、人間関係の縺れみたいな所を、具体策でコントロールする私みたいなやり方をする人もいれば、ひたすらに厳しく指導する事によって現場をまとめていくとか、とにかくスタッフと話し合って相談して解決していくとか、色々やりかたはあるでしょう。それはそれ、上に立つ立場の人が自分に合った方法でやりやすいようにやれば良いと思いますけど、とにかく私は基本「辞められたら困る」が基本なので、余り怒らずやさしくやさしく対応するしかないのですね。

 

それでも、結構大変です。最近なんかだと、そもそもたった一人の不平不満なのですが、それだけで何人かを巻き込んでトラブルになってしまい、やむを得ずない知恵絞って出来た対策を実行するために、そのために使用する道具を何十個も私自身がほぼ一人で用意せざるを得なくなったとか、泣きたくなります。解決のためだから致し方ありませんが、多分誰も褒めてくれないでしょう(笑)

 

いやほんと現場責任者って苦労が絶えないですねー>他のホテルの現場責任者の方へ。

こまけぇこたぁいいんだよっ、とは申しますが。

夏がとうとうやってまいりました。くそ暑い!くそ暑い!くそ暑い!・・・と言ってもほとんど大抵のホテルではエアコン冷房ガンガン効かせまくりで涼しく清掃されておられるでしょうけどねw

 

客室清掃では、夏の方がいいというメイドさんも多いのですが、その大きな理由はバチッとあの嫌な静電気が夏はないから、です。静電気と言うのは実はベッドのシーツではなくて、冬場の人体表面が乾燥してるから生じるんだそうです。乾燥していると電気が逃げる為の水分が少ないので、体に静電気が蓄積されてしまい、結果たくさん溜められた静電気が一度にドカンと流れてしまうのでバチバチなるという理屈。とは言え、要するに夏は発汗してるということなので、水分が体から失われてしまうため、水分をこまめに取らないと熱中症になりますので気をつけましょうね。

 

さて当ブログも客室清掃に関するネタをいっぱい書いてきて、身バレしない範囲で書かないといけないと言う制約から、なかなかネタが思いつかなくなってきたと言うのが最近しょっちゅうブログ書くのをサボってしまう大きな理由なのですが、今日、自分で洗剤とかの準備をしていて、ちょっとそうした洗剤などの細かい話でもしてみようかなー、と思った次第。

 

洗剤にはアルカリ性と酸性と中性があって、最近ではアルカリ電解水とかもあって・・・みたいな話はしません。そういうのはググれば済む話だし、実際のところ無数に洗剤は存在し、洗剤のPHだけでは語れないくらい種類があります。唯一つだけ知っておかないといけないのは、洗剤と言うものは全て(※例外もあります)界面活性剤を主成分とする、ということです。

 

化学的な話をすると、界面活性剤は基本的に親水基と親油基という部分で構成される分子構造を持ちますが、難しく考える必要はありません。要するに親水基があるから洗剤は水に溶け込み、親油基で汚れを抱きこむんです。もっと簡単に言うと、洗剤は汚れ成分をひっ捕まえて水の中に引っ剥がしてくれるものなのです。だから、大抵の洗剤は、例えば洗剤をかけて少し待つだけで汚れの取れ方が違ってきたりします。

 

で、最近の洗剤は界面活性剤自体の性能はもちろん、他にも色々な成分が入っていたりして、汚れをもっと取りやすくするとか、或いは除菌性能を持つとかそうした働きもあるので、出来ればそういう洗剤の性能を有効に使うべく、洗剤を掛けてから少し時間を置く方がベターなのです。よくあるのが、洗剤を掛けてすぐに擦ったりし始めて泡立たせた方が汚れが落ちやすいのでは?と言う誤解です。実は泡って洗浄には関係ありません。むしろ純粋な理屈から言えば泡立たない方がいいのですけど、泡立つのは界面活性剤自身の性質なのでどうにもなりません。ただ、泡には別の性質があり、例えば泡立つ濃度が洗浄が最も効果的な濃度と分かるとか、或いは泡の性質で洗浄面にある程度引っ付いてくれる、など無意味と言うわけでもありません。

 

しかし、それでもすぐに泡立たせるべきではなく、洗剤の能力を有効に使うには少し待ってから擦ったりする方がやはりベターなのです。漬け置き洗いなどを思い浮かべれば分かるかと思います。それでうちのホテルでは、先ず最初にバスルームのトイレに洗剤を掛けてから、そのまますぐ洗うんじゃなくて例えばバスタブ洗いをしてからトイレを洗いなさい、などという教育をしたりしています。その効果が出ているのかどうかまではよくわかんないんですけど、清掃の順序って大事なんだなーと思わせることは少しくらいは出来ているかも知れません。

 

あと、その洗剤なんですけど、ほんとに色んな会社から色んな洗剤が出てて、選ぶのを考えるのも嫌なくらい、一度選び出したらめんどくさいんですが、変えてみるのもいいと思います。私なんかは本来の職業柄「洗剤屋っつーのは嘘付きばっかで困る」と思ってしまうほど色んな洗剤使ってきましたが(笑)、いやほんと、売り文句がいい事ばっか書いてあるから何がいいのかさっぱりわかんないんですけど、そこそこ当たる事もありました。洗剤ってのは洗剤の基本性能だけじゃなく、コストもあるし、使いやすさもあれば、臭いの面でどうかとか評価ポイントが色々あるんですが、今うちで使っている洗剤は昨年変えたものなのですが、ベストとは言わないまでもなかなか優れた洗剤なのかなーと思ってたりします。トイレだけじゃなく何でも使えるんで、非常に便利ってのがポイントだったんですけどね。トイレの臭い対策にも多少はなった、ってのも大きいかな。

 

あと洗剤だけじゃなく、道具などもちょこちょこ変えてます。とにかく、メイドさんたちに細かい事は言わないのに、そういうところには何故か拘る細かい私です(笑)。

 

ともあれ、今年は暑くなりそうです。夏バテしないように頑張りましょうねー(・ω<)☆

ホテル客室清掃から見た清掃のコツ

この前、本屋さんで立ち読みしようとぶらぶらしていると、ちょっと忘れてしまったが確かプロのお掃除やさんが解説する掃除のコツみたいな本が平積みされていて手に取ってぱらぱら読んでみた。

 

私も一応この業界で飯を食う人間の一人だから、それなりに経験を経て知識は色々と身についていて、その本に書かれていることはプロなら当然知ってる事、当たり前のように思っていることばかりだったんです。だけど結構、プロでない人達は知らないのかもしれませんね。例えば、その著者は言います、掃除道具はそれなりにあってもいいけど、実はタオル1枚あれば掃除出来てしまうんだよ、とかね。

 

ま、現実には無理です。そりゃほこり取ったりするくらいならはたきやら何やらワイパーなんかいらず、タオル1枚で十分です。でも窓拭きはそれでは出来ません。ぬらしたタオルで拭き上げてから乾いたタオルで拭かないと水の跡が残ってしまうので、タオルは二枚いります(笑)。まーそういう細かい話はともかく、なかなかいい本だと思いました。覚えておけばアマゾン広告でも貼ったんですが、忘れてしまいましたw

 

さて、それなりの経験を経た一応プロの私がここでは色々と偉そうなことを書いてきておりますが(実は小心者なので、書いてることにあんまり自信はありません(^^;))、またもやえらそうに清掃のコツなどをだらだらと私なりに書いてみたいと思います。とりあえず一般向けといいますか、客室清掃に限った話ではありません。

 

割としょっちゅう、メイドさんたちを前にしてこれまた偉そうにこういうことをよく言います。

 

「綺麗にするのと綺麗に見せるのとはちょっと違います。我々の仕事はもちろん綺麗にする事も大事ですが、綺麗に見せる事が目的です」

 

ベッドなんかが代表例です。同じ綺麗なシーツ類を使ってベッドメイクしても、ピシッと皺なくベッドが張ってあったら誰でも皺があるより全然綺麗だと思うわけです。だから、自宅でも、きちっと整理整頓するとか、物をしっかり区分して分けるとか、或いはまた配置を工夫するとか、そうした見栄えに気を使ってやると、極端な話ですけど、そこそこ掃除しさえしておけば、そんなに労力を使って掃除しなくても綺麗に見えるように保つ事はできるんですね。例えば、台所に食器などが雑然と置かれていたら、例えそれらが綺麗に洗ってあったとしても、綺麗だとは思わないわけです。

 

もちろん我々はプロだし、厳しいホテルの客室清掃ですから、綺麗にしつつ綺麗に見せるという両方をやらなくてはいけません。でも、普通、ごく一般の多くの人はそんなに掃除にばかり時間掛けてられないでしょうから、私などは掃除する事よりもむしろそういう整理整頓みたいなところをしっかりやっておいた方が楽なんじゃないかと思いますね。実は、そういう掃除というところでは語られない部分の方をしっかりやることが清掃のコツだと、私は思ってます。

 

というのはですね、そういう風にものが綺麗に見えるように整理整頓されていると、マメに掃除したくなってくるんですよ、人情として(笑)。だって嫌でしょ?綺麗に整えられているところに埃が積層してたりしてたら台無しだもんね。

 

あと、細かい事ですが、雑巾にしろタオルにしろ、掃除用具はすぐ出せるところにおいておくのもちょっとしたコツです。いや、よくあるんですよね、奥の方にしまいこんでしまって、出すのがめんどくさいからということで、掃除をあんまりしなくなるとかね。我々清掃業界のプロでそんな、掃除道具を使いにくい状態にしておく人なんていません。業界の人ならもう当然の話なんですが、意外に一般の人はその辺に気付かない人も多いのではないでしょうか。

 

・・・・とここまで書いて気付いた。このブログって割と業界の人しか読まないと思うから、釈迦に説法だったですねw

 

こちらからは以上です

フロントとのコミニュケーションは大切。

さる方からのたっての希望により、当ブログの更新頻度を上げようかなー?と思ってみたり。上らないかも知れませんがw

 

実は書くネタが尽きてたりして、なかなか思いつかないというのもあります。小説みたいにしてネタをちりばめればそれなりに面白いかなー?と思ったんですが、書く為には小説の文章を勉強しようと本読んだりしてたらそっちの方が面白くなってしまい、目的を忘れてしまいました(笑)

 

ところで、ホテルの清掃って、品質や評判を上げていこうと思ったら一番大切なのは何かというと、フロントさんとのコミニュケーションなんじゃないかなと思ってます。もちろん責任者が配下スタッフとコミニュケーション取るのも大事ですが、それだけだとやはりなぁなぁになるというか、出来ない事は出来ないと諦めてしまうとか、悪影響になる部分もないではないのです。たとえば、常設家具の修理なんかは清掃側では出来ない、というのが普通で、せいぜいフロント側へ報告を上げる程度。「うちらには関係あらへん」みたいな諦めが生じます。ところが、出来なくはないものもあるんです。例えば、どっかのネジが緩んでそれだけを閉めたら直るんであれば、フロアの清掃責任者なんかがネジ締めたらそれで済む。

 

そういうのって結構実際あるんです。業務内容をこっちは清掃、こっちは設備さん、或いはフロントさんと区別する事ももちろん大切ですが、みんなが協力し合うってのは何も自分たちの責任業務さえすればいいというものではないと思います。尤も、多くのホテルではフロントさんのほうが立場が上で契約仕様以外のこともさせられる不満などがあったりして、仕事を増やすのはたまらん!という部分もあるでしょう。そこで必要になってくるのがコミニュケーションだと思うのですね。

 

ある意味、一番難しい部分でもあるとは思います。人間関係って非常に大きな悩みどころでもあるわけで、信頼関係作るだけでも大変ってこともあります。でもそこで、お互いに理解を深める、みたいなことはやっぱり必要だと私などは思うので、例えばきつく叱責されていても言える事は出来るだけ言うようにしています。清掃が出来てないじゃないか!どういうことだ!→申し訳ございません、だけじゃなくて何故そうなったのか、そこにフロントさん側からでも改善できる事があるのであれば(例えば指示の出し方を改善してもらうとか)私は頭下げながらでも言います。10個進言して、そのうち9個はダメでも1個でも聞き入れてくれたらそれでいいじゃないですか。

 

私の今の現場ホテルは、支配人自身がホテルを良くしたいという意志が強いので、幸運だと思ってます。色々と厳しい事は言われるけども、それはそういう意志の表れなんだなと理解してます。私自身も常に何か良く出来ないかと考える性質があるようで、前の記事で述べたような髪の毛の解決ごととか、怒られてへこんでてもやっぱり頭のどっかで解決方法を常に考えてたりするんですよね。そこら辺の意思がある程度一致するのでやりやすいといえばやりやすい感じはしてます。

 

そうは言っても、怒られるのはやっぱり嫌ですけどね(笑)

 

客室清掃責任者は死なず!

「めっちゃサボってた」から約3ヶ月ぶりの更新。

 

こんなに間が空いたのには理由が・・・・・・ないwww

相変わらず同じホテルで現場責任者やってます。今回更新しようと思ったのは、これ現場から書いてますけど、ちょっと時間待ちが発生した為です。なかなか帰れない(笑)

 

特に書くネタがあったわけでもないので、適当に思いついたまんま書いていきますね。

 

前にも何回か書いたような気がしますが、ほんとに毎日この仕事ばっかりで、飽き飽きし過ぎてます。そりゃ毎日色々あるけど、なるようにしかならないし、つか言い方を変えればなるようになるし、相変わらず人員不足は続いてますが、まー何とかなってしまうレベルですので大した問題でもありません。

 

もちろん、タイトル通り毎日大忙しです。そこそこの規模のホテルではありますので、毎日走り回ってます。あそこの汚れが取れんと言われれば走り、何処そこの調子がおかしいと連絡あれば走り、あれやこれが足りないといわれれば走り、フロントさんからの連絡に常に怯え(笑)、そんな感じで仕事を抱えまくって次々にこなし続けている毎日です。

 

にも関わらず、メイドさんをはじめとするスタッフの多くは私が暇してるとでも思ってる雰囲気・・・。自分で言うのも変ですが、割とそういう連絡にはすぐ対応する事にしているので、あまりに連絡してからすぐに来るので、暇だと勘違いされてるんでしょうね。違うってば、あなたたちの為に走り回ってるんだってば。出来る限り早く行かないとあなたたちが困るでしょ。・・・・まー、すぐ対応するのは私がかなり忘れっぽいからなんですけどね(笑)

 

で、毎日同じことの繰り返し、みたいに言いましたが、色々と変化はさせてます。やっぱり、日々効率追求と品質向上は忘れてはいけないと思ってますので、たとえばこう、ちょっとした事でもやり方を変えてみるとか、そうした工夫は忘れたことはありません。色んな問題が生じますから、そうした一つ一つの問題をどうにかして解決していく、或いは解決に近づける、そういうところに仕事の本質的な楽しさみたいなものはあると思ってます。問題抱えたまんまではストレスも溜まりますしね。

 

例えば最近では、具体的なことは身バレになりかねないので伏せるしかないのですけど、カーペットにへばりつく髪の毛を激減させる事に成功しつつあります。どうやってか?については言えません。申し訳ないです。数ヶ月前まではほんとに諦めてたんですけど、何とかなるもんです。私一人の努力ではありませんけどね。お陰様で、髪の毛クレームはほぼなくなりました。メイドさん達が見逃してしまう部分まではどうにもなりませんけど。他にも、どうにもならんと思ってたことを解決できたものもそこそこあります。

 

そうやって、仕事の中に本質的な楽しさを見出せる限り、少なくともストレスはほとんど溜まりません。以前、ネットで見聞した範囲ですけど、「ホテルの客室清掃現場責任者はストレスが溜まりやすく、中には自殺した人もいる」ってな話も聞いた事があります。もちろん私が色々と恵まれている、運がいいという部分もあるのだとは思いますが、実感としてそうとは限らないと思ってます。やり方次第、考え方次第でどうにかなると思います。ない知恵を絞って、頼れるところは人に頼って、みんなの力を合わせていけば、ほんとにどうにかなる、と思いますけどねー。

 

ただね・・・・巻き込みとか忘れ物とかのお客様の私物に関する問題は未だかなり手強いです。「なんでそんなもんベッドの上に置いて出かけるんじゃー!」「なんでそんな大事なもん忘れて帰るんじゃー!」って感じで(笑)

 

ではまた。失礼。

 

忘れ物と悪魔の証明

わー、めっちゃサボってたwww

 

記事の更新をしてなかったのは、単にサボっていただけの事である。前記事の続きを思いつかなかったからではない(思いつきで書いてるのバレバレw)。しかし、忙しいのは相変わらず忙しい。人も相変わらず足りてないし、不備だって出て怒られるし、現場の人間関係諸々、相も変わらず毎日大変である。

 

唐突だけど、非常に個人的な話だけど、そもそも私はとあるビルメン会社の社員であり、次期現場責任者候補に引き継ぐまでの中継ぎである。たまたま、前の現場責任者が唐突に辞めることになって、現場責任者が可能なのが私しかいなかったから、私がやっているだけのことだ。しかし・・・・本音を言うと、もう一年弱もこのホテルにいて、仕事はそれなりに頑張ってやってきたし、決してつまらない仕事ではないのだけど、飽きたw

 

もう一度言うが、私は社員であり、そりゃ社命であれば可能な限りなんでもするけど、同じ仕事をずーっとしたいタイプではない。職種は同じであってもいいけど、1つの現場に張り付いて毎日が同じことの繰り返しというのは正直、退屈以外の何物でもない。いや、毎日忙しいから実務という意味では決して退屈ではないのだけど、気持ち的・精神的には退屈で仕方がない。それもあって、業務の細かいところなどを色々と変えたりしてきたわけだ。だけど、それにも限界がある。また、あまり変え過ぎると回りが付いて来れなくなってしまう。現場というのは出来るだけルーチンワーク化の中で動かすべきなのだ。基準というかさ、そこは流石に変えられないということは山ほどあるわけだ。例えば、客室の中の配置を勝手に動かすことは出来ない、とかさ。

 

でもそれなりに、色々と変えてきた。前にも書いたように合理化・効率化、或いは朝礼やるにしても以前よりはずっとマシになったと思う。短い時間しか朝礼時間は取れないけど、その中で必ず毎日違った事を言うとか、色々とね。でもそういうのを、8割方くらいだとは思うけどやり尽くした感じがしてて、これ以上やっても特に大きな意味もないだろうし、次の責任者がその部分は変えていけばいいと思うし。それに、私の立場はどうしたって中継ぎだから中途半端にしか出来ない。出来る限り、次の責任者が困らないようにはするつもりだけど・・・・・と、しかし、どうしても1つだけなかなか困った問題があって、それだけは少しでも改善したいとは思っている。

 

それは「忘れ物」問題だ。何故これが困った問題なのか。

 

忘れ物というのはゴミや巻き込みなども含む、こちらが回収してしまうお客様の私物の事である。いや、実際にはそこは困った問題ではない。実際に回収してしまったのなら、必ずどこかから出てくるから、そこは別にいいのだ。問題は、実際には存在しない時がある、ということなのである。

 

例えば、いわゆる顧客扱いになってる頻繁にホテルを利用するお客様がいて、一見して良心的な印象のいいお客さんがいたとしよう。そのお客様があるものを部屋に置き忘れた、とでもホテルに申告したとしようじゃないか。当然忘れ物やゴミ、果ては巻き込みまで捜す必要がある。でもどこからも出てこない・・・・なので、お客様に「探しましたが見つかりませんでした」と報告がなされる。そこまではいい。そう、実際にお客様の勘違いか何かで存在しないことだって当然あるのだ。

 

だが、存在しない事は厳密に言うと証明できない。いわゆる「悪魔の証明」って奴である。

d.hatena.ne.jp

 

ここにはアイルランド全土とか広大な土地の事が書いてあるが、それより遥かに狭いホテルだって実際同じである。探す為の労働力や時間は限られているのだ。

 

実は、最近フロントに無茶苦茶厳しいお叱りを受けたのである。特定は困るのでちょっと事実を変えてお話しするが、そのお客様の失くした物はロレックスの腕時計だった。客室内はもちろんゴミを含め巻き込みまで探し、クリーニング業者にリネン類を出してからもそのクリーニング業者に再度探してもらった。だがどこからも見つからなかった。なのでホテルはそのお客様にやむを得ず「ありませんでした」と報告するほかなかった。ところが・・・・その三日後見つかったのである。何処から?

 

誰もが想像もしなかった、リネン類を収めている倉庫から見つかったのである。一体全体どうしてそんなところにあったのか? どう考えても、客室→ゴミまたは回収したリネン類以外のルートはあり得ない。その途中に倉庫があるはずがない・・・と思っていたら、あったのだ。というかあったと類推する他ない。というのは、回収したリネン類をメイドが一旦保存する為リネン袋のあるところまで持っていくのだけど、倉庫はその手前にあり、おそらく、回収したリネン類を持っていくその途中で巻き込まれていた腕時計が転げ落ちてその倉庫に入ってしまい、しかも、これまた見つけ難いところに挟まってしまったのだ。

 

実はホテルに報告すべきかどうか一瞬迷った。一旦「ない」と報告してしまったものを、「あった」とはなかなか報告し難いのだ。しかしモノはロレックスの高級腕時計。報告しましたがな。会社まで含めて大問題になりましたわな。「君は全て探したと言ったはず。普通の忘れ物ならともかく高級腕時計だということを認識してたのか!」みたいな。始末書も書きました。とほほ(そんなもん分かるわけねーだろ!と内心ほんと嫌になりながらね)。

 

で、この事例の解決策、つまり二度と同じことを繰り返さない対策は一応出せたんですが、実際のところはそれ以外にも悪魔の証明になる場合はいっぱいあるのです。例えば客室内の探し方に問題があって、隈なく探した筈なのに探しきれていなかった場所から出てくるとか、或いは部屋番号を分かるようにしているゴミであっても、その部屋番号を間違ってるとか、メイドが出来心で盗んでしまうとか、もうね、色んなケースが考えられてしまうので、実際のところ「悪魔の証明」になる事案はめっちゃ難しいんですよね。

 

宿泊約定には一応、宿泊契約としてお客様とホテルとの間に、お客様が忘れたものについてはホテルは一切責任は取らないという免責事項は必ず書いてあるのに、やはりサービスを売る側としてはそういうわけにもいかないという。ホント困ったものです。

 

今日もたんまり忘れ物出ました。つくづく忘れ物はしないで欲しいと願うばかりなのでございます(笑)