ホテル客室清掃のお話。

ホテル客室清掃についての色々な話を、現場作業から現場責任者、担当者まで経験してきた人が語るっていうブログです。

掃除機の掛け方について。

例えばこんな話がある。

 

バスルームの壁は上から洗うの?下から洗うの?

ベッドとバスルーム、どっちを先にすればベストなの?

洗剤をかけてからすぐ洗うのがいいの?それとも少し置いておくの?

 

・・・どーでもいいよ、綺麗にさえしてくれたらwww

つーか、せめて最後に十秒でいいからさ、すぐに次の部屋に行かずに今やった部屋をチェックしろよwお前らしょっちゅうアメニティとか忘れんだろw

 

こだわりたきゃこだわってくれても構わない。特に三つ目の洗剤をちょっとの間置いておくのは理に適ってはいる。最近の業務用洗剤は反応性の高いものが多いので速攻で洗い始めてもそんなに違いはないが、場合によっては洗剤をかけて置いておくだけで洗わずに汚れが取れてしまう場合も結構あるから、実は洗う時間の節約になる場合もある。なんとかとハサミは使いよう、って話で、掃除だって智恵の絞りようはいくらだってある。

 

しかしながら、さすがに客室清掃で最初に掃除機がけなんて話はないだろう。やたらと食べかすが散らかってるとかそうした状況を先に片付けないといけない状況でもない限り、掃除機がけは最後の方で実施するのが常識だ。これに異論のある人はいないだろう。・・・が、私には未だに掃除機がけが最後でなければならない理由がよくわからない。えええ?と意外に思われる方も多いであろうが、もちろん、部屋をきちんと片付けて置かないと掃除機がけはやりにくいというのは分かる。あと掃除中に床にわざとゴミなどを落として置いてあとで掃除機で一気に吸い取るってやり方も普通だ。だからもちろん掃除機がけは最後にやるべきである。

 

でも、私が疑問なのは、埃は一体どこにあるのか?という点に尽きる。そう、知っている人も多分結構いると思うのだが、清掃して終わって、しばらく時間を置いてどこか適当に埃のたまりやすいところを注意深く観察すると、埃が溜まっているのだ。場所によっては、きちっと拭いた筈なのに指先で撫でてやるとそこそこ埃が指先に付いてくる。もちろんその埃は清掃後も空気中に留まっていたものがゆっくり時間をかけて堆積したものであって、そんなものクリーンルームでもない限りどこだって普通にある話だ。それにホテルのあるところなんて大抵街中・市街地だから、そもそも空気環境自体が埃っぽいのだから止むを得ない話だ。

 

しかしこの埃たちは、もしかして掃除作業中に空気中に舞い始めたものなのではないのかな?とか思ったりするのだ。で、その埃たちの一番最初に多くあった箇所ってもしかして床面じゃないの?、と。だったら最初に埃を掃除機で吸っておいた方があとで貯まる埃も少なくなるんじゃないのかな? だって、床面って埃の貯まる箇所で一番広いわけだし。・・・ま、そんなこと言ってたって掃除機自身が埃を舞い上げてしまうわけだからそうは理想的にはいかないんだけどねw

 

と前置き(↑実は全部前置きだw)が長くなったが、何れにしても、カーペット繊維の中に埃が最もたくさん含まれているのは当然の話。だからダニの住処になったりする。だから掃除機がけはできるだけ丁寧に行うべきなのだが、これ、すでに述べたように客室清掃に最後の方でやるもんだから、結構多くの人があんまり丁寧にやってなかったりするんだよね。一刻も早く次の部屋に行きたい、あるいは帰りたい、休みたい、とか考えてしまうのは人の性分って奴だからよく分かるw

 

でもね、お客さんってば丁寧に掃除して綺麗な部屋に泊まりたくって、埃溜まってる部屋なんて嫌なんだ、基本的に。上で延々述べてきたように、埃が最も多く溜まっているのは床面であり、それが清掃作業中に空気中に多く舞い上がる、そして溜まるのだから、出来る限り掃除機で吸い取っておくのが埃をあまり堆積させないことに繋がるはずである。もちろん、他にも小さなゴミとか髪の毛とか可能な限り吸い取るべきだ。だが、一方で早く帰りたいというのも分かるw

 

そこでだ、だったらプロらしくプロらしい方法で掃除機作業をやろうではないかというのがやっと本題の話である(長すぎるw)

 

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相変わらずわかりにくすぎるというか下手すぎる絵でスミマセンw

 

これ、ビルメン業界に入って先輩社員から教えてもらった方法なんだけどね、掃除機がけする区域を例えば一回あたり1平米くらいに決めてその区画を単位に順序よく掃除機がけを進めていく、で必ず掃除機のヘッドは前に通ったところと次に通すところを少し重ねるようにして移動させていく、同じように区画ごとにも重ねて、そうやって全体を掃除していくって感じ。文章にするとそうなる。

 

床面ワックス清掃知ってる人なら、ポリッシャーがけとかもそうだし、あるいはカーペット洗浄機とかでも考え方自体は同じだよね。多分知ってる人なら、釈迦に説法みたいな話だと思うけど、わりと知らない人が結構いて、私もこの業界入るまで知りませんでした。

 

このやり方を知らない人で、特に掃除機がけの下手な人って、掃除機が抜けるところが多くなったりする。あるいは別の話だが、掃除機には本体があってコードがあってそれがコンセントに繋がってるってことを忘れて、掃除機を倒してしまったりぶつけたり、コンセントプラグを破壊したりするんだな、これが。ところが、区画ごとに掃除機がけするようにすると、全体の面を意識するようになるので、抜けがまず少なくなる。で全体を意識してるから自分の位置も把握するようになり、掃除機本体が今どこにあるかとかコードの長さは足りてるか、などもしっかり意識しながら清掃ができるようになるんすな、これが。しかも、丁寧に清掃できるし、効率的だから速い、と良いことづくめなのでございます。・・・と私は思う。

 

多分、区画ごとに掃除していくっていうのは、箒がけだったり、あるいは床面自動洗浄機だったり、あらゆる掃除の基本中の基本なのかもしれない。ベストなのかどうかはよくわからんけど、少なくとも掃除機がけのベストな方法の一つであるとは思います。

 

とにかくお前ら、コンセントプラグ壊すな!修理ばっかさせんじゃねーよwww