ホテル客室清掃責任者というお仕事

とあるホテルに客室清掃責任者として常駐しています。毎日クソみたいに忙しいです。お暇を誰か下さい。

ハインリッヒの法則って正しいの?

ハインリッヒの法則

1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する

 

超有名な事故に関するこの法則のことは良く知っているつもりである。我々がお客さん乃至はフロントさんからしかられるクレーム・不備にもこれは当てはまり、ひとつの不備は実はたくさんの隠れた不備か不備になるまでもないけど不備に結びついたかもしれない行動などが潜んでいて、そうした行動などをしっかり指導・管理しなければならない、と。理屈は合ってる。これは人を見ると分かる。不備のほとんどない人もいれば不備を多く出す人もいて、確かに多い人はそういう印象がある、みたいなね。

 

でもね、清掃の嫌なところは、綺麗にすればするほど綺麗でないところが目立ってくる、という二律背反が存在するのだ。だから、逆説的な話で、頑張れば頑張るほど、変なところのクレームが増える、ような印象がある。これはなかなか、やってる人でしか感覚的に分からないと思う。また、そうした細かい不備が続くと、どうしても細かいところに捉われて、それ以外の部分を見逃すとか、いたちごっこが続く。

 

例えば、あなたが家の掃除をするとする。とりあえずフローリング掃除をするとしようじゃないか。すると、フローリングは綺麗になっても、今度はカーペットが意外に汚いことに気付く。そこで、カーペットを綺麗にする。そしてフローリングもカーペットも綺麗になると今度は隅っこの方が気になってくる、そして隅っこを丁寧に掃除したとすると今度は掃除し難い箪笥の後ろやソファーの下が気になって一生懸命掃除する。でソファーや箪笥を動かしている際に、ソファー自体箪笥自体に汚れも気になってくるので・・・とまぁ大体こんな感じで、すればするほど汚いところが気になってしまうわけだ。

 

もちろん、我々はそれが仕事である。この逆説的な状況こそ、仕事が必要な理由ですらある。でもね、それはハインリッヒの法則じゃない。ていうかさ、なんかこう、ほんとにピンポイントで指摘されてる気がするのだ。同様の不備は他の部屋にもあるけどある部屋にたまたまウルサイ人が入ってきてクレームを出してきた、という確率的なものではなくて、ほんとにその部屋にしか無い不備をごく一般的なお客さんが指摘してきた、のような気がしてならないのである。だって、ほんとに不備のないような工夫・対策を色々してきて、その対策をした部分に限って言えば稀にしかその部分ではクレームは出てこなくなってきている実績があるからだ。

 

あるいは別の観点として、お客さんの目が厳しくなってくる、それに伴ってその厳しいお客さんのクレームが増える、という面もないではない。というのは、例えば前に泊まった時に印象が非常に良くて綺麗な部屋のあるホテルだと思っていたのに、次に泊まった時に何か清掃面で行き届いてない部分を見つけ、クレームが出るというケース。いや、お客様勘弁して下さい、全室が全室完璧な部屋じゃないんですよ、たまたまなんです、と言いたくなる気持ちはあるけども、もちろん頑張って全室完璧に近い状態にしたいと言う気持ちで頑張ってもいるけども、なかなかそれにはまだまだ程遠いのが現実なんですわ。あり難い話でもありますけどね、そうやって指摘していただけると改善には繋がりますしね。でも怒られる・・・。めっちゃ怒られるんですw

 

その怒る側のフロントさんなんだけども、要するにハインリッヒの法則的な発想をされるのです。一件不備が出ると、それだけで他も大丈夫か?みたいなね、当然ではあるけどね。直接お客さんから怒られるのがフロントさんなんだし、清掃のことはフロントさんではどうにも出来ないし、だからこそ厳しくこちらを叱責するのではあるし、不安も分かります。だったら請負単価上げろー!と言うのはさておき、清掃、特にホテル客室清掃に関するハインリッヒの法則とは別の現状に見合った法則を誰か考えてくれないかなぁなんてw

 

こちらからは以上です。