ホテル客室清掃のお話。

ホテル客室清掃についての色々な話を、現場作業から現場責任者、担当者まで経験してきた人が語るっていうブログです。

賛成の反対は・・じゃなくて酸性の反対はアルカリ性。

何度も書くけど、検索されてこのブログがヒットし、関係者に記事を読まれてホテルがどこか特定されると困るから、細かなことがあまり具体的には書けないのだけど、実際私は持てる限りの知識と経験、及び知恵を絞りに絞って業務にあたっている。だから実はこうすればこういうことに物凄く効果があるというようなことは沢山有るのだが、殆どがピンポイント過ぎて書けないのである。忸怩たる思い、とはこのことであろう。

 

書けないことと、とは具体的には例えば、こういう素材に対して、カクカクシカジカな困ったことがあるのだけど、こういう商品を使えばものの見事に解決できる、などと言った話だ。こういう事柄は大抵の場合実際にうちの会社やフロントさんに効果を報告してたりするので、書いてしまうとバレてしまう危険性が高い。特にうちの支配人はなぜだか清掃に非常に興味津々な人なので、ネット検索も駆使されることも知っており、怖くて書けないんだよね・・・と書くことすらも怖いw

 

でも、読者に有用な話はしたい。というわけで今回は酸性とアルカリ性の話。そんなの知ってるよー、という方は以下は読まれなくてもいいかな。ていうか私の経験上の話なので、間違ってるかもしれないということはお断りしておきます。効果の程も保証できるわけでもありませんし。

 

さて、あらゆる液体には通常、アルカリ性と酸性、というよりもpHがあります。pHとは水溶液中に遊離した水素イオンの濃度指数です。水素イオン濃度が高いと酸性ですがpHは水素イオン濃度の逆数の常用対数・・・ってな化け学な話はどうでもよくて、要するにpHは1〜14の値を取り、真ん中の7が中性で、7より低いと酸性、高いとアルカリ性を示します。あんまり難しい話は私も知らないので(清掃関係の詳しい話はビルクリーニング技能士の本でも読んで下さい。私は全然覚えてませんw)すが、ここでは1つ重要な話だけします。

 

それは、何某かの洗剤などで汚れを取ろうと思ったら、中和する方向へ持ってってやればより効果的、ってだけです。例えば、トイレで酸性洗剤使うのは、取ろうとする対象の尿石などがアルカリ性を示すからです(だと思います、多分w)。え?汚れが酸性かアルカリ性かわかんないからどっち使えばいいかなんてわからないって?

 

そこでちょっとしたコロンブスの卵です。わかんなかったら取り敢えず両方用意しておいてどっちか使えばいいんです。酸性が効かなかったらアルカリ性アルカリ性が効かなかったら酸性、ってことです。最も簡単なのは、クエン酸ソーダと重曹を用意しておくことです。前者が弱酸性で、後者が弱アルカリ性なのです。百均で手に入りますから簡単でしょ?

 

実は、カーペットのある汚れでこの考え方が絶妙にハマりました。カーペットは通常、アルカリ性洗剤は推奨されません。毛が痛む、とされるからです。なので中性か弱酸性洗剤が好まれます。で、その教え通りにやってもなかなか取れない汚れに直面し、思い切ってアルカリ性となる重曹の粉をふりかけてやってみたらあら不思議、めっちゃくちゃ簡単に汚れを取りきってしまったのです。実はこの時困っていたのが汚れとともに臭いだったのですけど、臭いも取ってしまえました。

 

正確に言うと、これは中和だけの作用ではないのですが、まぁ当たらずとも遠からず、難しい話はさておき(そもそも難しい話は出来ないw)、大抵の場合当たってるみたいです。というのは、ほとんどの汚れは洗剤の性能そのものが影響し、アルカリ性であったり酸性であったりするのですけど、そのpHとは関係なしに取れてしまうんですね。或いはそもそも洗剤の濃度が濃いほうが取れるとか、そういう感じです。でも、稀にいつも使ってる洗剤では取れないような場合に、pHの異なる、つまり酸性が無理ならアルカリ性を使ってみるという考え方が結構ヒットするんですよ。

 

以上、私の経験からお話させていただきました。一般的な知識とはやや異なるし、間違ってるかもしれませんことをご留意願います。でもね、一般的な汚れって実際なかなかないんですよね。現実はあまりに複雑でして、色々実験してみるしかないっていう(笑)

 

あ、言わずもがなの常識ですけど、次亜塩素酸ソーダが主成分の塩素系漂白剤に酸性洗剤を絶対に混ぜてはいけません。間違うとマジで最悪、塩素ガスで死にます。

客室清掃責任者というお仕事の肝。

また間を開けてしまった。

 

個人的に色々あって、一番大きいのが「いつまでここにいればいいの?」というもの。だって、一応本社正社員で、当初は誰も他に出来る者いないということで臨時だったんだから。それがズルズルって感じで、嫌になってるという面がある。

 

仕事自体、あるいは現場自体は別に嫌ということはない。むしろ好きだ。F1レーサーがテクニカルで難しい鈴鹿サーキットが好きだというのに似ていて、大変だがやりがいがある。人に恵まれているという面も大きいけど、とにかくみんなと仕事していると楽しい。でもね・・・

 

それって良くないんだ。そもそも会社的にちっとも利益の出ないホテルの客室清掃現場責任者なんかずっとやってたら駄目。やっぱり、きちんと客室清掃現場責任者を自分の職種としてやれる人が、少なくとも私の務める現場には必要なのだ。私はその人が現れるまでの繫ぎでしかなく、それまでに出来ることをする、以外の役割はないのである。なのに会社ときたら、私をホテルに放置しているとしか思えない。そうした人材を雇うのはたしかに難しいのは認めるけども、いくらなんでも長過ぎるだろ、これ。私はそもそも、しょうがないからやってるだけなのだ。

 

というわけでさ、ブログ記事を実は何度か、間が空いてた期間に書き始めたことはあるけどどうしてもこういう感じの愚痴で始まってしまうので、書き終えずに消してばっかりだったのです。だったら、会社辞めればいーじゃん、という意見には同意です。でも、無責任に現場を放り出すことはどうしてもできず、多分辞めても誰も私を責めないだろうこともわかってるけど、「みんな困るだろうなぁ・・・」という思いがどうしても拭えないので、辞めるに辞めれないんですよね。まぁ、私一人辞めても実際にはなんとかなってしまうんでしょうけど、辞めるならやっぱりきちんと次に引き継いで辞めたいのです。そのつもりで頑張ってきたので、それが無駄になるというのも嫌なんです。

 

それにしてもなかなか次の人材が見つからないのはホテルの客室清掃責任者が大変だと思われてるからなのでしょうかね。多分うちの会社の場合募集条件、待遇があんまり褒められたもんじゃないからだと思いますけど(どんな募集してるのか知りませんが予想はつきますw)。ええ、もちろん大変です。ですが、肝さえ抑えておけば、その大変さも大したことではございません!・・・と私個人は思うと、逃げを打っておきますがw

 

その肝とは何かと申しますと、、、、たった1つ、毎日きっちり指示された部屋数の全室を清掃完了させること。それだけです。不備が出ようがフロントから怒られようが、清掃完了できないことに比べれば屁でもありません。もちろん、それだけをしてたらいいというのではありません。そうではなくて、全室清掃完了だけをしっかりキープしておけば、様々なことから生じてくる不安感を大幅に低減できる、ということなのです。これ、当たり前なことなのですけど、全室清掃完了できないだなんてほんとに一大事ですから、毎日きっちり完了できてたらその分不安感は大きく払拭できている、ということになるのです。

 

で、大事なのが、その不安感が払拭できていれば、業務の他の面に色々と目を向ける余裕が生まれるんだ、と、こう考えるわけでございます。実際、全室出来ないかもしれないという経験をしておりますが、その時は通常業務をこなすので精一杯で、色んな事に目を向ける余裕なんてあなた、全くございませんでしたよ、マジで。弾薬尽き果てて戦場に取り残された気分でございましたwもう死ぬしかないとw

 

もちろん、この人材不足が続く業界ですから、肝を抑えることもまた大変なのですけど、ほんとに全室清掃完了だけ何としてでもしっかり抑えておけば、ぜ~んぜん大丈夫です。要するに全室清掃完了しとけば会社は契約金額きっちり貰えるって話です(笑)

客室清掃というお仕事の現実。

ホテル客室清掃業界というのは広いのか狭いのかよく知らないけど、他のホテルで働いてたー、あっちのホテルではこうだったー、みたいな話はよく聞くし、同じようにうちのホテルのことも話されてんのかなーと思う・・・・けども、実際、何故かよく分からんけどうちのホテルから辞めて別のホテルに行く人はどうも最近少ないみたいだからそれはあんまりないかも。

 

で、そうした他のホテルの話を聞いても、状況は大して違わない。基本的には何処も人手不足である。こないだ聞いたところなんか、うちのホテルだとほぼ清掃が終わるのが大体15:00~16:00ってところだけど、そのホテルでは18:00になっても終わらず、フロントがルームチェンジ先考えるのも四苦八苦だとか。上には上が、というよりも下には下があるものだ。

 

そのように人手不足が酷くなると、スタッフもきついので辞めてしまうという悪循環に陥りがちである。それもあって、とにかくスタッフにやめて欲しくないという大前提で頭を絞りに絞って、スタッフに出来る限り無理をさせない方針でやってきているわけだが、実際のところ運に恵まれていると言うか、スタッフに恵まれている感覚の方が大きい。だから、偽らざる本音を言えば、スタッフに何人も辞められたりしていつピンチに陥るかと思うと恐くて仕方ない。

 

大抵のホテル客室清掃の現場がそうであるように、ある程度高齢の人を何人も抱えているから、ただでさえ肉体的にハードな仕事なのに、過剰にきつく仕事させてしまうとリタイヤ続出になるのは目に見えている。実際のところはその辺を騙し騙しやってきているし、いつボロが出てもおかしくない。知恵を絞るのも限界がある。実際、ホテル同士、宿泊客を奪い合うという意味の競争は激しいだろうし、むやみに手を抜かせることも出来ない。私は常に散々考えて、可能な限り無理はさせないようにはしてきたつもりだけど、だからといって不備が増えては本末転倒だから、やるべき事はやってもらわないと困る。

 

要するに、如何に働く人に不満を与えず、ホテルサイドに対しても要求に答えつつ、という匙加減が結構きついのだよね。自分の所属する会社への利益は正直後回しにしてるけど、まぁそれはホテルに対して一定の評価をもらえるようにしてればいいだろうってところであまり考えないようにしている。そもそも安過ぎるんだから、これ以上はしゃーねーだろー、と。そこまで単なる現場責任者が考えてたら正直身が持たない。

 

でも、世の中先ずは"お金"だろうと。どうしてホテルサイドはもっと客室清掃にお金を出さないのだろう? ホテルの経営がどうやって成り立ってるのかなんて全然知らないけど、大抵のホテルは1室清掃していくら、程度の契約しかしてないはずだから、そのお金だとメイドさんにいくら支払われてるとかはそんなに複雑な計算をしなくてもある程度分かる筈であろう。より良い人材に来てもらえばクオリティだってあがる、その為にはある程度の賃金を支払わないといけないってことは誰でも分かって当然の筈なのに、現実は全然安い。

 

これは広く清掃業界全般に言えることだけど、バブルの頃は清掃ってそこそこ儲かったらしい。だがバブルがはじけるとどんどん金額が下がっていった。で、業者同士の価格の叩き合いになった。すると、潰れる会社も当然出てきたのだが、そこを辞めた人間が新しく会社を作ったりして業者自体は増えてしまったんだそうな。だから、価格の叩き合いがより加速度的に酷くなった、とうちの社長は言っていたw

 

それがホテル客室清掃の業界でもそうだったのかどうかは知らないが、そんな特に専門性が必要なわけでもない仕事だから、客室清掃をやろうとする会社も増えたかもしれない。基本的に人さえ集める事が出来れば出来るからね。ただ、近年はその人集めが大変なので客室清掃をやりたがらない会社も多いとも聞く。実際に、実数として客室清掃をやる意思のある会社がどれだけあるのかは知らないし、需給関係がどうなってるのかなんて全然、何処にもそんなデータはないけど、もし仮に客室清掃をやろうとする会社が減ってきているのであれば、需給関係に応じて金額は上がってくる、とは予想できる。

 

・・・とまぁ、この先どうなるのかは甚だ不透明ではあるけど、最低賃金もこれからは上がり続けるだろうから、ホテルとしても契約金額を上げざるを得なくなってくるとは思う。ていうかそうしてもらわないと困る。どんなに頭を捻ったって最早限界だ。今の金額でこれ以上レベルを上げるなんて私には出来ない。

 

やっぱりどう考えたって世の中金だよ。仕事なんだから。

シャワーカーテン問題再び。

今回の記事は短いと予め断っておきますね。

 

でタイトルのシャワーカーテン問題。要するに悪臭問題についてです。前回の記事はこちら。

 

hotelsekininsya.hatenablog.com

 

この記事では、あえて私の現場であまり詳細に具体的にどうやってるのかは書かなかった。もちろん特定が困るからだが、未だに解決してない問題である。大分マシにはなったが、まだ不備としてあがってきたりアンケートに書かれたりするので、悩ませ続けられているのが実情。

 

他のホテルのことは良く知らないので、ホント他のホテルではどうやってるのか知りたいけど、人づてに聞いた話では全部部屋で洗っているというのがあった。聞いたときには「え~?じゃあどうやって乾かしてるの?」と思ったもんだ。もしかすると、シャワーカーテンの材質そのものが違うのかもしれない。撥水性の高いビニールみたいなつるつるした感じで水分が染み込まないものなら可能かもしれないが、そんな商品は知らない。

 

ググっても、私のブログがトップに来てしまう(笑)。実は、ブリーチの希釈液をスプレーすると結構臭いが抑えられることは分かっているのです。要するに殺菌してしまうわけです。が、ブリーチ、塩素の臭いが残ってしまう難点がある。うちのホテルのバスルームはあまり換気がよくないので、これが非常に困るんです。それに、理由はよく分からないけど、ブリーチが効かない場合もあります。他、重曹やらクエン酸、現場にある数種の消臭剤みたいなものや洗剤などをスプレーにして使ってみましたが、大して効果はありませんでした。

 

なんとか、減らせてはいるのですが、根絶には程遠い状況でしてね。いったい他のホテルはどうやってるんだろう?と真剣に思うわけです。今やってる方法以外で思いつくのは、全数とは行かないまでも全客室の半分とか、1/3程度を毎日交換してしまうという、ホテルサイドからすると金が掛かりすぎ、メイドサイドからすると仕事が増えてしまうというどうにも採用の難しい方法しかありません。

 

ググって色々読んでいると、臭ってたら替えるというのがありましたが、上の記事にも書いたように、それではダメなんです。清掃時に臭って無くても後で臭ってくるものもありますからね。今のところ不備等で報告があがってくるのは、ほとんど後で臭ってくるものばかりのようなのです。うるさく言い続けたお陰でみんな鼻にシャワーカーテン引っ付けて臭い嗅いでくれるようになってるみたいですから。

 

というわけで今日は何かためになるお話ではなく、その逆にこっちが教えて欲しいという話を書きました。以上。つーか、誰や、シャワーカーテンなんか考えた奴は。てゆーかシャワーカーテン作ってるメーカーが何とかしろよ(笑)

 

忘れ物は何処へ・・・

一ヶ月間放ったからして、昨日更新し、すぐに翌日午前中に更新するという不定期ぶりは我ながら流石だと思う(何がやねんw)。

 

なんで更新したくなったかって言うと、前記事で引用したキノ(id:kanos321)さんのブログをボーっと見てたら、ホテルというブログ記事分類項目があって、こんな記事を見つけたからだ。

www.kinoblo.com

 

思わず「うんうんそーだよねー」って頷きたくなる様な事が書いてある。例えば。

一番頻度が高かったものは「未開封の飲料品・食料品」です。未開封なら代わりに食べてしまえばいいじゃないかと思われますが、これも立派な忘れ物。もしもゴミ箱に入っていたらゴミとして処理します。しかし、冷蔵庫の中やテーブルの上に置いてあった物は忘れ物として保管しなくてはなりません。

 

そうなんですよねー。日本ならではだと思います。開封されてれば、使用済ということで通常は大抵ゴミ扱いにしますが、未開封品は忘れ物として保管されます。ついでに書くと、要冷蔵モノは冷蔵庫にて保管されます。その後の処理はフロントさんがするのでよく知りませんが、確か翌日までの保管だったと思います。あんな普通の家庭にあるような普通の冷蔵庫に大量保管できるわけないしw

 

上の記事では長期間保管するとありますが、遺失物法という法律があり、法律上は食品などはモノにもよりますが即処分でも構わないことになっています。食っちまっても構わないんじゃないかな。ウンコの形で廃棄するとの解釈も可能だしwww

 

で、飲食物もそこそこ多いのですが、それよりも遥かに多いのは圧倒的に靴下。くっさい靴下とかなんか汗とかで湿ってる靴下とか処理すんの嫌ですよ。でもゴミ箱に入ってない以上、忘れ物にするしかありません。んなもんいちいち客が後になって問い合わせてきたなんて聞いたことありませんが、仕方ありません。また、最近ではスマホの充電器が結構多いです。こちらの方は問い合わせ頻度はある程度高いようなのですが、まぁ普通に忘れる人は忘れるでしょうね。

 

こういう食品以外の忘れ物は、遺失物法の規定により三ヶ月が保管期間になってます。でも三ヶ月も過ぎて問い合わせてくるお客さんなんているのかな?・・・いるんだろうなぁ、これがw ホントに色んな人が宿泊されるので大抵のことでは驚かなくなってしまいましたw

 

上の記事では「うんこのついたズボンに入った財布」が困った忘れ物例として挙げられていますが、私が扱いに困る忘れ物として上げざるを得ないのはスーツケースです。あんなもん客が捨ててったに決まってるとしか考えられないんですけど、保管する以外に手がないんです。で、何が困るかというとでかいから保管場所を取るわけです。これがですね、結構な頻度であるんですよ、トホホ。ったくふざけんな!せめて捨てるなら捨てるでフロントに言うかメモでも貼ってけ!

 

今迄で一番困った忘れ物は、「え?何これ?一体何なの?」と先ず処理伝票にそれが何であるかを書けないので30分くらいネットで調べたりと非常に手間が掛かったあるものです。100人の一般人が見て99人、或いはもう100人ともそれが何か分からないと思います。そもそもネットで検索するったってどんなキーワードで調べればいいのかも見当も付かない。たまたま、その物に書かれていた注意書きみたいな語句で検索したら、ググッた先の何ページ目かにありました。

 

非常に特殊な医療機器に使う架設の骨組み。ってね、んなもんなんで忘れてくんだよ!つか捨ててったんだろうけどね、多分、ちょっと壊れてたし。折りたたみ式なんだけど、これがクソ重い上に結構大きかった。よくそれが何か探し当てられたもんだなぁと、ネット検索の威力に驚きましたねw

 

ともあれお客様、普通に忘れてしまうのであれば仕方ありませんが、スーツケースとかそうしたデカイ要らないものをホテルで処分したいのであれば、せめてフロントさんに相談して下さい。親身になって対応してくれることは間違いありません。よろしくお願い申し上げます。

 

巻き込みと芸能人ホテル強姦事件について。

ちょうど一ヶ月ぶりの更新。

 

関係者が読んでここがどこか特定できそうな話ならいくらでも書くことはあるのだが、そうでないような話を書くのはやはりなかなか思いつくものではない。大して記事数はないこのブログだけど、過去記事読んでると色んな事を書いてきたのだなぁと思う。読んでくれた人のためになるような話を書くというスタンスでずっと書いてきたけど、果たしてホントにためになっているのだろうか?

 

どこのホテルも似たようなものだなぁと思うような話を最近は入ってきた人から聞いた。実は、何回か書いたと思うけど、いわゆる巻き込みがなかなか減らないので延々困ってるんだけど、その人は他のホテルで働いていたというので聞いてみたんだよね。すると、他のホテルでも同様に巻き込み事案というのは発生しているそうな。ただ、うちのホテルでは到底不可能なある仕組みによって、巻き込みそのものはなくならないものの、手早く発見出来る様になっているらしい。羨ましい話である。しかし、どう考えてもうちのホテルでは同じ仕組みを取り入れることは無理と考えざるを得ず、溜息しか出なかった。

 

メイドさんレベルで言うと、とにかく事前にしっかり確認しろ、ということでしかない。だが、どんだけ口をすっぱくして指導したところで、ミスしない人間というものは存在しない。或いは、巻き込みを滅多にしないような優秀な人ばかり雇うなどというのも、現実の人材不足と安月給を考えれば夢物語である。実際には、繰り返し繰り返し何度も何度も諦めずに「巻き込みに注意して下さい」と指導し続けているので、それを指導しないよりかは幾分かはマシにはなっている筈であるが、そういう努力でこれだけ減らしましたー!みたいな報告は、実際に比較して数える事が出来ない以上これも不可能である。で、たまに巻き込みが出るとフロントから渋い顔をされる・・・対策なんかも求められたりする。

 

こないだなんか、巻き込みで見つかったお客様の私物、その人インバウンド客で、本国に即効帰ってしまってたので航空便費用が発生した。思ったより高くなかったけどね。とにかく、巻き込みには頭を抱えている。

 

実際、現場全体というか、仕事全体の流れから、契約金額やら契約仕様まで含めた上で考えないと、巻き込みを激減させるなんて土台無理な話である。ホテルの構造まで絡んで来る話だし、そうした制約ががんじがらめにありすぎて結局どうにも出来ないまま。・・・・実はうちの会社の方が数十万程度負担するだけで減らせるって事が分かってるんですが、どう考えたって負担するわけねぇから、正直諦めざるを得ない。

 

というわけで、これを読んでくれたほかのホテルの人から、巻き込み問題にどういう対策をしてるのか、あったら聞いてみたいなーとか思ってます。よろしくお願いしますm(_ _)m

 

閑話休題

 

ちょっと記事が短いので別の話をしよう。最近のホテル関係で世間を賑わせている話。

 

www.asahi.com

 

お母さんの高畑淳子さんは大好きな女優さん。息子さんのことはほとんど知らなかったけど、今回の事件後の記者会見などは正直可哀想で見てられなかった。いつだったかテレビでご自宅の様子を映してて、子供の為に一生懸命お弁当作ってた姿が忘れられない。母子家庭だそうですが、せっかく頑張っておられたのに・・・・。

 

で、この事件、高畑裕太が悪いのは当然として、ホテルにも責任があると言うブログ記事があった。

 

www.kinoblo.com

 

概略、こうした事件はホテルではよくありがちな事で、女性従業員一人で男性客の部屋を訪ねるなどリスク管理が出来てないと言わざるを得ない、だそうである。私はただの雇われ客室清掃責任者で、そういう事件がよくありがちだとか全然知らんのだけど、女性従業員を自室に引きずりこんで強姦とか、そんなによくある話なのかなぁ?

 

女性スタッフのお尻を触ったりという程度なら聞いた事はあります。昔研修してたビジホですが、酔ったお客さんに抱きつかれたという話も聞いた事はありますけど、強姦はさすがに聞いた事がありません。まー、業界のことはあんまり知りませんから、もしかしたら業界内では一般的な話なのかもしれません。

 

ところで、関連する話って訳でもないんですけど、ある知人に「メイドさんと客室でエロい事出来たりするの?」とか聞かれたりした事あるのですが、正直、あり得ません。クソ忙しいのにそんなこと考えてる暇のある奴なんかいる訳ねーだろ、とw 大体、フロアをみんな忙しくあっちこっち行ってるのに、見られたらどーすんだよwww

 

でも私、ベッドに1~2分横たわったことはあります。一人で。特に何もせずw

ホテルサイドから見た不備を減らす対策は?

「客室清掃 不備」でググッたらこんなページがヒットした。ちなみに私のパソコンだからかもしれないがトップは私のブログ記事だったw

 

hotelman-the-phantom.seesaa.net

 

いやなかなかにほんといい事が書いてある。

一向に改善されない日常清掃の不備に業を煮やした宿泊部門の責任者が、直接客室階に出向いて徹底した指導を行ったとしても、.ただでさえ精一杯の持ち時間を削られて不快な小言を聞かされるメイドさんたちの感情を害する以外は何も得られません。

 

 そのとおりだーーーー!私などは厳しく怒られると休みの日ですらも延々そのことばっかり考えて、休日も楽しめないんだぞ!(^^;

 

これしかし、ここにも書いてあるとおり、客室清掃は外部委託が多いので、どうしてもホテルサイドは「こっちが金払ってやってんだから」みたいな意識になるんだと思います。極端な話、我々は客だぞ!と。

 

でもよく考えて欲しい。同じ建物の中で働く仲間なんです。フロントさん、あなたたちだってホテルを運営する会社からお金貰って働いているという意味で外部委託業者の従業員も変わらないんですよ、と。そりゃもちろん、我々外部委託業者は、所属する会社の命に従って動いている以上、ホテルだけじゃなく先ずは所属会社の利益なりというところを考えないといけないので、会社としての責任も当然ありますが、委託して任せてるんだからちゃんとやれ!という視点だけではダメなのではないかと思います。

 

その上、実態として多くのホテルは外部委託業者に十分な対価を支払ってなどいません。だから、かなり深刻な人材不足にほとんどの業者が悩まされ続けています。しかし酷いホテル側の人になると「その金額でやるといったのはあんたの会社なんだからそんなの知らん」という態度をとる人だっています。そりゃ理屈はそうです、そうですけど、安くていいものなんつー欲張りが色んな問題を生じさせてしまう大きな要因になっているって事は考えるまでも無い事です。

 

ほんと、上の紹介ページに書いてあるように、客室清掃を一度自分たちでやって欲しい。それもお試しとかじゃなくて、戦力になるつもりで。どれだけ大変か、身を持って実感しなければ、不備なんか減らないと思います。頭の中だけじゃダメなんです。体を使って動かして経験して初めて見えてくることはいっぱいあると思います。そうやって、客室清掃やってる人達と一緒に努力して考えていけば、不備は確実に減らせると思います。

 

今回は良いページを見つけたので、思わず紹介したくなったわけですが、最後にほんとに良いこと書いてあるなぁと思ったところを引用して終わります。

しかし、「同じ釜の飯を食った」相手からの依頼であるとなれば話は自然と違って来ます。一度くらいは夕暮れ前の飲み会に誘われているかも知れません。日頃の愚痴や不満をたっぷりと聞かされて、皆さんがとても傲慢に見えている事を気付かされているかも知れません。もう、そこには何らかの血の通う人間関係が生まれている筈なのです。そしてもう一つ、思わぬ効果も期待が出来るでしょう。
それは「配慮とねぎらい」です。清掃の実習に入った初日、あなたは何室を仕上げる事が出来ると想像されますか。決められた時間内に指導を受けながらであればまず三室が限界でしょう。一週間の実習でも十室には遠く及ばない。その事を嫌と言うほどご自身の肌で感じ取られる筈なのです。あなたのホテルのメイドさんが一日に何室を仕上げているのか。どんな思いで作業をされているのか。何を面倒に感じて、どんな風に時短をされているのか。そればかりではありません。何を嬉しく思い、何を励みに感じ、何に対してなら誠心誠意に応えてやろうと考えて貰えるのか。そのヒントが山の様に得られるのではないでしょうか。あなたはさらに気付かれる筈です。客室清掃の不備に苦情を訴えているお客様に対して、本当は自分たち自身がそうさせているのかも知れないと言う事をです。関連する部署との信頼関係こそが、苦情を断ち切るためには欠かせないのだと確信も!!出来るでしょう。旅館であれば「布団敷き」や「茶替え」さんの経験も貴重なものとなるに違いありません。