ホテル客室清掃のお話。

ホテル客室清掃についての色々な話を、現場作業から現場責任者、担当者まで経験してきた人が語るっていうブログです。

これからのホテル客室清掃とは。

いつものとおり間が空いてしまったこのブログだけど今回は人手不足が主因である。出来る限り現場を理由としての退職はないように、必要以上に厳しくしないとか、コミュニケーションとるとか、要望は出来る限り聞くとか、様々な努力はしているが、現場が理由ではない事情で辞める人も当然いるわけで、その分の不足を新人雇用により補えないと、結局のところ責任者である私がどうしても補わざるを得なくなる。

 

出来る限り食べるようにはしているのだが、それでも2ヶ月で3~4キロ痩せた。元々の体重だって少ないのに、ホテル責任者の仕事の多忙さでそこから痩せていたところにさらに痩せてしまった。それでも、過労だけは避けたいと、メリハリをつけて仕事をするようにしてるので、今のところ体力面での問題はないわけだが、ブログを書くような余力はなかったというのが本音である。

 

人手不足を解消するには、つまるところ金しかなかろう。実際にメイド作業をやってみるとあまりに時間がなさ過ぎる。こんな短時間で不備なく綺麗に仕上げないといけないとか、冗談にも程がある。だが金を稼ぐには、部屋数をこなさざるを得ないのが現実。そういう金銭的事情もあって、私はスタッフに必要以上にきつく言わない事にしている。そのクォリティに見合った賃金が払えないからだ。

 

私のいるホテルがどこだかは特定されたくはないのであまり詳しくは書けないが、メイドさんの給料を考慮に入れると、多分、地域ではトップクラスのクオリティであることに疑いの余地はほとんどない。ほんとに良く頑張ってもらっていると思う。毎日のように多目の部屋数をこなしてもらわないといけないので、メイドさんにはほんとに頭が上らない。正直言って、良くこんな安い賃金で働くなぁといつも思っているが、働いてもらえるのは賃金だけではないからだと自分なりに労働環境を良くしようとがんばってみたりはしているのだけど、、、、。

 

前にも書いたけど、客室清掃単価が安いのは、引き受ける業者が安値で叩きあったからに他ならない。経営者同士が、あそこは一室いくらでやってるとかそういう情報を真に受けて、値引き合戦をやった結果がこれである。それが結局業者自身の首を絞めて、その末端で働くメイドさんたちスタッフを苦しめている。うちのホテルなどはあまりに安すぎて他業者からもその値段では出来ないといわれている。安値で引き受けてくれるうちのような会社を見つけたホテル側だけがほくそえむこの構図。仕事がないと食っていけない、自ら仕事を発生させる事がほぼ不可能なビルメンテナンス・清掃業界の足元を見られたのである。業者同士に競争させればコストを下げられる、と。

 

で、タイトルの話になるわけだが、もちろん今後、最低時給を上げるなどの政府の政策もあって、これ以上に下がる事はなく、徐々に賃金は上っていくだろうことは間違いない。メイドなんかは成り手が少ないから、賃金(やその他の待遇面)でつり上げていくしか道はない。政府だって外国人観光客をどんどん伸ばそうとしているし、引く手あまたの売り手市場になる筈だ。だから、客室清掃メイドって言う仕事は今後は絶対食いっぱぐれはないよ、・・・と宣伝したいところなのだけども、求人募集広告を見てるとそれでもなお業者間が様子見していると言うか、劇的に上ってる様子は伺えないのが何とも言えないところと言うか、やっぱ業者って弱いんだなぁと思ってしまった。

 

ならば、いっそ客室清掃の現場で働くメイドさんたちが協力して労働組合でも作ったらどうかと思う。もちろん現状ではそんなの夢物語だけど、メイドさんが働いてくれなかったら困るのは業者でありホテルなわけであって、仕事を出す側よりも仕事をする側のほうが現状ですらも力関係としては上に十分なれる気がする。一致団結してストライキなんかされたらホテル・業者はたまったもんじゃないと思うんだけど。

 

お前が音頭取れ、と言われても困るけどね。

ホテル客室清掃業務の料金見積方法。

って、実際に私が関わった事はないし、もちろん見積もりもした事はない。教えてもらったこともなければ、見積資料も見たこともない。今のホテルについては客室単価等は知ってるし、毎月の請求金額なども知り得る立場にはあるが、特に詳しく計算したことはない。

 

でも、たぶんあんまり複雑じゃないと思うので、ちょっと仮定を立てて、見積計算をしてみよう。やり方は色々あると思うので、一例と言う程度に思ってくれれば幸い。このモデルが適用困難なホテルもあるとは思うが、ともかくやってみよう。

 

  • 客室数は200室。常に満室状態で稼動するものと仮定する。
  • メイドさんには時給で支払う。労働時間は平均で5時間(ここでは労働時間は関係ない)。
  • 一室清掃時間は一人当たり平均で30分とする。客室清掃外作業も含めると考える。
  • 時給は1,000円とする。その他の福利厚生費・交通費等は一切考慮しない。

 

先ずこの条件で、清掃作業分のみ、要するに単純に清掃だけをしてチェッカーとか責任者とかその他の経費を含まない状態で人件費計算してみよう。

 

先ず、1室30分だから、毎日200室清掃するのであれば、1日あたり必要な作業累計時間は以下のとおりとなる。

 

200室×30分=6,000分=100時間

 

なので、時給で積算すると、

 

100時間×1,000円=10万円

 

となる。これが一ヶ月を30日とすれば、一ヶ月の客室清掃人件費は300万となるわけだ。

 

ここに、チェッカー人件費であるとか責任者人件費、清掃資機材等の現場経費部分、他交通費であるとか、募集に掛かる広告費、あるいは会社の粗利益部分となる一般経費など、様々な経費を漏れなく足していけばよいだけだからそんなに複雑ではない。で、以上の計算で肝心要となるのは、清掃時間であることがわかるだろう。たとえば30分が40分になったりすると、時給が変わらなければ一ヶ月当たり約90万も増加する。

 

ではどうやって客室清掃時間を見積もればよいのか。契約する前に見積もる場合がほとんどだと思うが、これは色々だと思う。ベテランの社員がいて図面等の資料を一瞥するだけで分かる場合もあるだろうし、社内的に参考資料を持ってる場合もあれば、既に入ってる業者などから聞くとか、ホテルサイドからデータが出てくるとか様々だと思う。何れにしても、清掃時間が分からないと見積もりは困難だろう。

 

ともかくも、そうやって積算した総額を総清掃部屋数で割って契約上の客室単価を出す、と言うのが一般的なやり方だと思われる。予断になるが、ホテルサイドの人が客室単価=人件費みたいに言ってたのを耳にした事がありビックリした事がある。馬鹿野郎、1室単価とはその名のとおり、1室清掃するのにいくら掛かっているか、と言う意味であり、それがその他の費用を含むことなど常識だろう。

 

今回なぜこんな話を書いてるかというと、どうもうちの会社、驚いた事に見積もりそのものをしてないらしい事が朧気に分かってきたからだ。簡単に経緯を説明すると、色々と噂レベルの話を総合しての推測だが、前にやってた会社の契約金額からちょっと客室単価をちょっと値引いた、だけで契約したらしいのである。マジだとするとかなりがっくりする話だ。何にいくら掛かるかまるで知らん、と言われてもおかしくないレベルw

 

もっとも、そもそも真面目に積算しても最初から利益どころか赤字必至だと分かっていたのは事実で、それでも契約したのは経営者なりの考えがあってのことだろうとは思う。でもさ、上で書いたようにこれ、そんなに難しい計算なんか何処にもないぞ。見積するだけで大変な作業量になる仕事、ってなら話は分かるけど、どう考えたって半日掛からずに、あるいはもう1時間も掛からずに電卓あれば誰にでも簡単に計算できるレベルだと思うんだが。稼働率とか最低保証稼動率(※要するに稼動が低くても金額上は下限を設けてその金額だけは保証しますよって事。大抵のホテル客室清掃委託業務には設定されてるらしい)のところが多少ややこしいが、それだって平均値で仮定すれば良いだけの話、何も難しいことはない。

 

ともあれ、見積をやってないと言う推測が当たっていると考えられるフシはあり、トータルで赤字だとは言うくせに、細かい部分での検討は一切ないのである。まー、人手不足で人件費の高い社員応援は入りまくってるから、何とかして人入れて応援減らすくらいしか今は手はないと分かってるんだけどね。でも、以前に書いたけど給与計算のために結構手間隙掛けてシステム作って、そこそこ細かいデータは全て記録してあるんだから、それ使って分析とかすりゃぁいいのにと思う。例えばエクストラベッドが月平均何台出てて、いくら掛かっててって計算して、契約交渉に使うとかさー。なんか出来るだろ。

 

でもうちの会社そんなの「こまけぇこたぁいいんだよ」って風で全然やる気配もなしなのw やっぱ会社辞めよかなー(笑)

 

賛成の反対は・・じゃなくて酸性の反対はアルカリ性。

何度も書くけど、検索されてこのブログがヒットし、関係者に記事を読まれてホテルがどこか特定されると困るから、細かなことがあまり具体的には書けないのだけど、実際私は持てる限りの知識と経験、及び知恵を絞りに絞って業務にあたっている。だから実はこうすればこういうことに物凄く効果があるというようなことは沢山有るのだが、殆どがピンポイント過ぎて書けないのである。忸怩たる思い、とはこのことであろう。

 

書けないことと、とは具体的には例えば、こういう素材に対して、カクカクシカジカな困ったことがあるのだけど、こういう商品を使えばものの見事に解決できる、などと言った話だ。こういう事柄は大抵の場合実際にうちの会社やフロントさんに効果を報告してたりするので、書いてしまうとバレてしまう危険性が高い。特にうちの支配人はなぜだか清掃に非常に興味津々な人なので、ネット検索も駆使されることも知っており、怖くて書けないんだよね・・・と書くことすらも怖いw

 

でも、読者に有用な話はしたい。というわけで今回は酸性とアルカリ性の話。そんなの知ってるよー、という方は以下は読まれなくてもいいかな。ていうか私の経験上の話なので、間違ってるかもしれないということはお断りしておきます。効果の程も保証できるわけでもありませんし。

 

さて、あらゆる液体には通常、アルカリ性と酸性、というよりもpHがあります。pHとは水溶液中に遊離した水素イオンの濃度指数です。水素イオン濃度が高いと酸性ですがpHは水素イオン濃度の逆数の常用対数・・・ってな化け学な話はどうでもよくて、要するにpHは1〜14の値を取り、真ん中の7が中性で、7より低いと酸性、高いとアルカリ性を示します。あんまり難しい話は私も知らないので(清掃関係の詳しい話はビルクリーニング技能士の本でも読んで下さい。私は全然覚えてませんw)すが、ここでは1つ重要な話だけします。

 

それは、何某かの洗剤などで汚れを取ろうと思ったら、中和する方向へ持ってってやればより効果的、ってだけです。例えば、トイレで酸性洗剤使うのは、取ろうとする対象の尿石などがアルカリ性を示すからです(だと思います、多分w)。え?汚れが酸性かアルカリ性かわかんないからどっち使えばいいかなんてわからないって?

 

そこでちょっとしたコロンブスの卵です。わかんなかったら取り敢えず両方用意しておいてどっちか使えばいいんです。酸性が効かなかったらアルカリ性アルカリ性が効かなかったら酸性、ってことです。最も簡単なのは、クエン酸ソーダと重曹を用意しておくことです。前者が弱酸性で、後者が弱アルカリ性なのです。百均で手に入りますから簡単でしょ?

 

実は、カーペットのある汚れでこの考え方が絶妙にハマりました。カーペットは通常、アルカリ性洗剤は推奨されません。毛が痛む、とされるからです。なので中性か弱酸性洗剤が好まれます。で、その教え通りにやってもなかなか取れない汚れに直面し、思い切ってアルカリ性となる重曹の粉をふりかけてやってみたらあら不思議、めっちゃくちゃ簡単に汚れを取りきってしまったのです。実はこの時困っていたのが汚れとともに臭いだったのですけど、臭いも取ってしまえました。

 

正確に言うと、これは中和だけの作用ではないのですが、まぁ当たらずとも遠からず、難しい話はさておき(そもそも難しい話は出来ないw)、大抵の場合当たってるみたいです。というのは、ほとんどの汚れは洗剤の性能そのものが影響し、アルカリ性であったり酸性であったりするのですけど、そのpHとは関係なしに取れてしまうんですね。或いはそもそも洗剤の濃度が濃いほうが取れるとか、そういう感じです。でも、稀にいつも使ってる洗剤では取れないような場合に、pHの異なる、つまり酸性が無理ならアルカリ性を使ってみるという考え方が結構ヒットするんですよ。

 

以上、私の経験からお話させていただきました。一般的な知識とはやや異なるし、間違ってるかもしれませんことをご留意願います。でもね、一般的な汚れって実際なかなかないんですよね。現実はあまりに複雑でして、色々実験してみるしかないっていう(笑)

 

あ、言わずもがなの常識ですけど、次亜塩素酸ソーダが主成分の塩素系漂白剤に酸性洗剤を絶対に混ぜてはいけません。間違うとマジで最悪、塩素ガスで死にます。

客室清掃責任者というお仕事の肝。

また間を開けてしまった。

 

個人的に色々あって、一番大きいのが「いつまでここにいればいいの?」というもの。だって、一応本社正社員で、当初は誰も他に出来る者いないということで臨時だったんだから。それがズルズルって感じで、嫌になってるという面がある。

 

仕事自体、あるいは現場自体は別に嫌ということはない。むしろ好きだ。F1レーサーがテクニカルで難しい鈴鹿サーキットが好きだというのに似ていて、大変だがやりがいがある。人に恵まれているという面も大きいけど、とにかくみんなと仕事していると楽しい。でもね・・・

 

それって良くないんだ。そもそも会社的にちっとも利益の出ないホテルの客室清掃現場責任者なんかずっとやってたら駄目。やっぱり、きちんと客室清掃現場責任者を自分の職種としてやれる人が、少なくとも私の務める現場には必要なのだ。私はその人が現れるまでの繫ぎでしかなく、それまでに出来ることをする、以外の役割はないのである。なのに会社ときたら、私をホテルに放置しているとしか思えない。そうした人材を雇うのはたしかに難しいのは認めるけども、いくらなんでも長過ぎるだろ、これ。私はそもそも、しょうがないからやってるだけなのだ。

 

というわけでさ、ブログ記事を実は何度か、間が空いてた期間に書き始めたことはあるけどどうしてもこういう感じの愚痴で始まってしまうので、書き終えずに消してばっかりだったのです。だったら、会社辞めればいーじゃん、という意見には同意です。でも、無責任に現場を放り出すことはどうしてもできず、多分辞めても誰も私を責めないだろうこともわかってるけど、「みんな困るだろうなぁ・・・」という思いがどうしても拭えないので、辞めるに辞めれないんですよね。まぁ、私一人辞めても実際にはなんとかなってしまうんでしょうけど、辞めるならやっぱりきちんと次に引き継いで辞めたいのです。そのつもりで頑張ってきたので、それが無駄になるというのも嫌なんです。

 

それにしてもなかなか次の人材が見つからないのはホテルの客室清掃責任者が大変だと思われてるからなのでしょうかね。多分うちの会社の場合募集条件、待遇があんまり褒められたもんじゃないからだと思いますけど(どんな募集してるのか知りませんが予想はつきますw)。ええ、もちろん大変です。ですが、肝さえ抑えておけば、その大変さも大したことではございません!・・・と私個人は思うと、逃げを打っておきますがw

 

その肝とは何かと申しますと、、、、たった1つ、毎日きっちり指示された部屋数の全室を清掃完了させること。それだけです。不備が出ようがフロントから怒られようが、清掃完了できないことに比べれば屁でもありません。もちろん、それだけをしてたらいいというのではありません。そうではなくて、全室清掃完了だけをしっかりキープしておけば、様々なことから生じてくる不安感を大幅に低減できる、ということなのです。これ、当たり前なことなのですけど、全室清掃完了できないだなんてほんとに一大事ですから、毎日きっちり完了できてたらその分不安感は大きく払拭できている、ということになるのです。

 

で、大事なのが、その不安感が払拭できていれば、業務の他の面に色々と目を向ける余裕が生まれるんだ、と、こう考えるわけでございます。実際、全室出来ないかもしれないという経験をしておりますが、その時は通常業務をこなすので精一杯で、色んな事に目を向ける余裕なんてあなた、全くございませんでしたよ、マジで。弾薬尽き果てて戦場に取り残された気分でございましたwもう死ぬしかないとw

 

もちろん、この人材不足が続く業界ですから、肝を抑えることもまた大変なのですけど、ほんとに全室清掃完了だけ何としてでもしっかり抑えておけば、ぜ~んぜん大丈夫です。要するに全室清掃完了しとけば会社は契約金額きっちり貰えるって話です(笑)

客室清掃というお仕事の現実。

ホテル客室清掃業界というのは広いのか狭いのかよく知らないけど、他のホテルで働いてたー、あっちのホテルではこうだったー、みたいな話はよく聞くし、同じようにうちのホテルのことも話されてんのかなーと思う・・・・けども、実際、何故かよく分からんけどうちのホテルから辞めて別のホテルに行く人はどうも最近少ないみたいだからそれはあんまりないかも。

 

で、そうした他のホテルの話を聞いても、状況は大して違わない。基本的には何処も人手不足である。こないだ聞いたところなんか、うちのホテルだとほぼ清掃が終わるのが大体15:00~16:00ってところだけど、そのホテルでは18:00になっても終わらず、フロントがルームチェンジ先考えるのも四苦八苦だとか。上には上が、というよりも下には下があるものだ。

 

そのように人手不足が酷くなると、スタッフもきついので辞めてしまうという悪循環に陥りがちである。それもあって、とにかくスタッフにやめて欲しくないという大前提で頭を絞りに絞って、スタッフに出来る限り無理をさせない方針でやってきているわけだが、実際のところ運に恵まれていると言うか、スタッフに恵まれている感覚の方が大きい。だから、偽らざる本音を言えば、スタッフに何人も辞められたりしていつピンチに陥るかと思うと恐くて仕方ない。

 

大抵のホテル客室清掃の現場がそうであるように、ある程度高齢の人を何人も抱えているから、ただでさえ肉体的にハードな仕事なのに、過剰にきつく仕事させてしまうとリタイヤ続出になるのは目に見えている。実際のところはその辺を騙し騙しやってきているし、いつボロが出てもおかしくない。知恵を絞るのも限界がある。実際、ホテル同士、宿泊客を奪い合うという意味の競争は激しいだろうし、むやみに手を抜かせることも出来ない。私は常に散々考えて、可能な限り無理はさせないようにはしてきたつもりだけど、だからといって不備が増えては本末転倒だから、やるべき事はやってもらわないと困る。

 

要するに、如何に働く人に不満を与えず、ホテルサイドに対しても要求に答えつつ、という匙加減が結構きついのだよね。自分の所属する会社への利益は正直後回しにしてるけど、まぁそれはホテルに対して一定の評価をもらえるようにしてればいいだろうってところであまり考えないようにしている。そもそも安過ぎるんだから、これ以上はしゃーねーだろー、と。そこまで単なる現場責任者が考えてたら正直身が持たない。

 

でも、世の中先ずは"お金"だろうと。どうしてホテルサイドはもっと客室清掃にお金を出さないのだろう? ホテルの経営がどうやって成り立ってるのかなんて全然知らないけど、大抵のホテルは1室清掃していくら、程度の契約しかしてないはずだから、そのお金だとメイドさんにいくら支払われてるとかはそんなに複雑な計算をしなくてもある程度分かる筈であろう。より良い人材に来てもらえばクオリティだってあがる、その為にはある程度の賃金を支払わないといけないってことは誰でも分かって当然の筈なのに、現実は全然安い。

 

これは広く清掃業界全般に言えることだけど、バブルの頃は清掃ってそこそこ儲かったらしい。だがバブルがはじけるとどんどん金額が下がっていった。で、業者同士の価格の叩き合いになった。すると、潰れる会社も当然出てきたのだが、そこを辞めた人間が新しく会社を作ったりして業者自体は増えてしまったんだそうな。だから、価格の叩き合いがより加速度的に酷くなった、とうちの社長は言っていたw

 

それがホテル客室清掃の業界でもそうだったのかどうかは知らないが、そんな特に専門性が必要なわけでもない仕事だから、客室清掃をやろうとする会社も増えたかもしれない。基本的に人さえ集める事が出来れば出来るからね。ただ、近年はその人集めが大変なので客室清掃をやりたがらない会社も多いとも聞く。実際に、実数として客室清掃をやる意思のある会社がどれだけあるのかは知らないし、需給関係がどうなってるのかなんて全然、何処にもそんなデータはないけど、もし仮に客室清掃をやろうとする会社が減ってきているのであれば、需給関係に応じて金額は上がってくる、とは予想できる。

 

・・・とまぁ、この先どうなるのかは甚だ不透明ではあるけど、最低賃金もこれからは上がり続けるだろうから、ホテルとしても契約金額を上げざるを得なくなってくるとは思う。ていうかそうしてもらわないと困る。どんなに頭を捻ったって最早限界だ。今の金額でこれ以上レベルを上げるなんて私には出来ない。

 

やっぱりどう考えたって世の中金だよ。仕事なんだから。

シャワーカーテン問題再び。

今回の記事は短いと予め断っておきますね。

 

でタイトルのシャワーカーテン問題。要するに悪臭問題についてです。前回の記事はこちら。

 

hotelsekininsya.hatenablog.com

 

この記事では、あえて私の現場であまり詳細に具体的にどうやってるのかは書かなかった。もちろん特定が困るからだが、未だに解決してない問題である。大分マシにはなったが、まだ不備としてあがってきたりアンケートに書かれたりするので、悩ませ続けられているのが実情。

 

他のホテルのことは良く知らないので、ホント他のホテルではどうやってるのか知りたいけど、人づてに聞いた話では全部部屋で洗っているというのがあった。聞いたときには「え~?じゃあどうやって乾かしてるの?」と思ったもんだ。もしかすると、シャワーカーテンの材質そのものが違うのかもしれない。撥水性の高いビニールみたいなつるつるした感じで水分が染み込まないものなら可能かもしれないが、そんな商品は知らない。

 

ググっても、私のブログがトップに来てしまう(笑)。実は、ブリーチの希釈液をスプレーすると結構臭いが抑えられることは分かっているのです。要するに殺菌してしまうわけです。が、ブリーチ、塩素の臭いが残ってしまう難点がある。うちのホテルのバスルームはあまり換気がよくないので、これが非常に困るんです。それに、理由はよく分からないけど、ブリーチが効かない場合もあります。他、重曹やらクエン酸、現場にある数種の消臭剤みたいなものや洗剤などをスプレーにして使ってみましたが、大して効果はありませんでした。

 

なんとか、減らせてはいるのですが、根絶には程遠い状況でしてね。いったい他のホテルはどうやってるんだろう?と真剣に思うわけです。今やってる方法以外で思いつくのは、全数とは行かないまでも全客室の半分とか、1/3程度を毎日交換してしまうという、ホテルサイドからすると金が掛かりすぎ、メイドサイドからすると仕事が増えてしまうというどうにも採用の難しい方法しかありません。

 

ググって色々読んでいると、臭ってたら替えるというのがありましたが、上の記事にも書いたように、それではダメなんです。清掃時に臭って無くても後で臭ってくるものもありますからね。今のところ不備等で報告があがってくるのは、ほとんど後で臭ってくるものばかりのようなのです。うるさく言い続けたお陰でみんな鼻にシャワーカーテン引っ付けて臭い嗅いでくれるようになってるみたいですから。

 

というわけで今日は何かためになるお話ではなく、その逆にこっちが教えて欲しいという話を書きました。以上。つーか、誰や、シャワーカーテンなんか考えた奴は。てゆーかシャワーカーテン作ってるメーカーが何とかしろよ(笑)

 

忘れ物は何処へ・・・

一ヶ月間放ったからして、昨日更新し、すぐに翌日午前中に更新するという不定期ぶりは我ながら流石だと思う(何がやねんw)。

 

なんで更新したくなったかって言うと、前記事で引用したキノ(id:kanos321)さんのブログをボーっと見てたら、ホテルというブログ記事分類項目があって、こんな記事を見つけたからだ。

www.kinoblo.com

 

思わず「うんうんそーだよねー」って頷きたくなる様な事が書いてある。例えば。

一番頻度が高かったものは「未開封の飲料品・食料品」です。未開封なら代わりに食べてしまえばいいじゃないかと思われますが、これも立派な忘れ物。もしもゴミ箱に入っていたらゴミとして処理します。しかし、冷蔵庫の中やテーブルの上に置いてあった物は忘れ物として保管しなくてはなりません。

 

そうなんですよねー。日本ならではだと思います。開封されてれば、使用済ということで通常は大抵ゴミ扱いにしますが、未開封品は忘れ物として保管されます。ついでに書くと、要冷蔵モノは冷蔵庫にて保管されます。その後の処理はフロントさんがするのでよく知りませんが、確か翌日までの保管だったと思います。あんな普通の家庭にあるような普通の冷蔵庫に大量保管できるわけないしw

 

上の記事では長期間保管するとありますが、遺失物法という法律があり、法律上は食品などはモノにもよりますが即処分でも構わないことになっています。食っちまっても構わないんじゃないかな。ウンコの形で廃棄するとの解釈も可能だしwww

 

で、飲食物もそこそこ多いのですが、それよりも遥かに多いのは圧倒的に靴下。くっさい靴下とかなんか汗とかで湿ってる靴下とか処理すんの嫌ですよ。でもゴミ箱に入ってない以上、忘れ物にするしかありません。んなもんいちいち客が後になって問い合わせてきたなんて聞いたことありませんが、仕方ありません。また、最近ではスマホの充電器が結構多いです。こちらの方は問い合わせ頻度はある程度高いようなのですが、まぁ普通に忘れる人は忘れるでしょうね。

 

こういう食品以外の忘れ物は、遺失物法の規定により三ヶ月が保管期間になってます。でも三ヶ月も過ぎて問い合わせてくるお客さんなんているのかな?・・・いるんだろうなぁ、これがw ホントに色んな人が宿泊されるので大抵のことでは驚かなくなってしまいましたw

 

上の記事では「うんこのついたズボンに入った財布」が困った忘れ物例として挙げられていますが、私が扱いに困る忘れ物として上げざるを得ないのはスーツケースです。あんなもん客が捨ててったに決まってるとしか考えられないんですけど、保管する以外に手がないんです。で、何が困るかというとでかいから保管場所を取るわけです。これがですね、結構な頻度であるんですよ、トホホ。ったくふざけんな!せめて捨てるなら捨てるでフロントに言うかメモでも貼ってけ!

 

今迄で一番困った忘れ物は、「え?何これ?一体何なの?」と先ず処理伝票にそれが何であるかを書けないので30分くらいネットで調べたりと非常に手間が掛かったあるものです。100人の一般人が見て99人、或いはもう100人ともそれが何か分からないと思います。そもそもネットで検索するったってどんなキーワードで調べればいいのかも見当も付かない。たまたま、その物に書かれていた注意書きみたいな語句で検索したら、ググッた先の何ページ目かにありました。

 

非常に特殊な医療機器に使う架設の骨組み。ってね、んなもんなんで忘れてくんだよ!つか捨ててったんだろうけどね、多分、ちょっと壊れてたし。折りたたみ式なんだけど、これがクソ重い上に結構大きかった。よくそれが何か探し当てられたもんだなぁと、ネット検索の威力に驚きましたねw

 

ともあれお客様、普通に忘れてしまうのであれば仕方ありませんが、スーツケースとかそうしたデカイ要らないものをホテルで処分したいのであれば、せめてフロントさんに相談して下さい。親身になって対応してくれることは間違いありません。よろしくお願い申し上げます。