ホテル客室清掃のお話。

ホテル客室清掃についての色々な話を、現場作業から現場責任者、担当者まで経験してきた人が語るっていうブログです。

『ホテル 客室清掃 人手不足』でググってみた。

既にお気付きの方もおられるかと存じますが、このブログのタイトルと宣伝文句を変えてあります↑。

 

いちばん最初につけたタイトルは『過労死するかもしれないとあるホテルの現場責任者』だったかと思いますが、本当に過労死するかと思うくらい責任者になりたての頃はきつい思いをしました。最初の頃は責任者ってそんなもんなのかなぁと漠然と思ってましたが、実際にやってみるとそうではない事が徐々にわかってきました。

 

悪いのは誰かと申しますと、ホテルが直でパートさんなどを雇って客室清掃されている場合は除きますが、受託して請け負っているビルメンテナンス会社などの清掃会社です。「人手を入れて回せばいい」としか考えてない会社が非常に多いようです。そうした会社の多くは割りとすぐに撤退します。客室清掃を舐めてかかってるんですね。

 

私の勤めていた会社もそんな考え方でしたが、その会社にとっては売り上げだけは大きいので撤退するつもりはないみたいですけどね。でも偽装請負やってるって話は前にした通りで、酷い話です。

 

とにかく、人を入れて回せばいい、だなんて考えてるから現場が劣悪になるのです。私は、それは結果の話であり、そうするには職場環境を、働く人にとって可能な限り良好なものにする必要がある、と考えました。そうする事で、酷い人手不足でもどうにかこうにか回すことのできる土台が作れるだろう、と考えました。それでもかなりきついものではありましたが、私が過労死など考えないようになる程度にはうまくいったわけですね。

 

これはものすごく単純な話で、みんなで頑張ろうと思える職場じゃなきゃ、誰が頑張るか?ってことですね。ただでさえ肉体労働できついんだから、頑張ろうって思える職場じゃなきゃダメなわけです。そのためには、どう考えたって働いている人のことを単なる労働力としか考えないだなんてダメ。頑張るっていうのは意思であり「気持ち」なんだから、その気持ちに応えていかないとダメ。ダメダメ尽くしですけど、ともかくそこで働いてよかったと思ってもらわないとね。

 

でもそういう考えって、自分なりには正しいと思ってやってきましたが、実際どうなんだろうと思いまして、この記事のタイトルでググってみたら、一発目にヒットしてるサイトがなかなかいいこと書いてありましたので紹介。

 

hitokuru.atimes.co.jp

 

 

 

内容は読んでいただくとして、タイトルがいいですね。ホテルに限らず、いわゆる清掃員ってすっごく見下されることの多い職種です。先日も、私が結構気に入っている作家の小説を読んでたんですけど、多分無意識だと思いますけどその作家も清掃員を「清掃のおばちゃん」扱いしてるんですよね。アメリカなどでも割と職業蔑視されている職種なのですけど、アメリカだったらお客さんからチップもらえるのが普通だしね。日本じゃチップすらないんだぞって。

 

結局、客室清掃という仕事を非常に魅力のある仕事だと思ってもらわないと人手不足は解消の方向に向かわないと思います。そのためには、現場の自助努力として上記リンク先のように客室清掃員もホテルのスタッフとして平等・公平に扱う、なくてはならない労働力だと考えてもらうような仕組み作りが大切だと思います。

 

理想的を言えば、清掃を委託して別会社にやらせる仕組みそのものを無くして欲しいところですが、現実的にはそうもいかないと思いますので、まずは受託する清掃会社がもっと客室清掃のことを真面目に考えて取り組むべきだと思います。そうしなければいつまでたっても安かろう悪かろう→出来ませんでした→撤退します、が繰り返されるだけだと思います。