憂鬱な苦情との戦いの日々・・・
なんだか、1記事目を読み返していると「・・・けども」がやたらと目に付いて、自分の文章表現の稚拙さに呆れた。
文章を書くのはあまり得意ではないのだけども・・・・また「けども」を書いてしまったけどもw、苦情が出るたびに当ホテルではフロントさんから苦情(クレーム)報告書を欠いて提出する様に求められる。あまり書きたくない報告書なんだが、この文章を書くこと自体は結構得意になってしまった。フロントの担当者からも「へぇ、文章が上手いですね」と褒められることもあるくらいで、多く書いてきたから勝手に上達してしまったのだとは思う。
このホテルがいったいどこにあるのかということについては流石に触れることは出来ないが、まぁまぁ観光客の多い、そこそこホテルやら旅館の激戦区だとは言っておこう。なので、繁忙期には宿泊料金が跳ね上がる。安い時期ももちろんあるが、それでも結構、稼働率の高いホテルではあるので、従って、稼働率の低いホテルよりは苦情件数は増える。
人間がミスをするのは当たり前で、クレームだって当然出るわいな!と毎日愚痴をこぼすのが日課となって久しいわけだが、とにかく色んな苦情が出る。前泊者のゴミや忘れ物が残っている、鏡に指紋が付いている、タオルに染みがある、アメニティが足りない、コップが洗えていない、シャワーカーテンが臭い、リンスにシャンプーが入っていた、ベッドに血の跡がある、部屋が臭う、時計が狂っている、花瓶にゴミが入っていた、ソファーに穴が開いている、間接照明が点かない、置いてある無料のお菓子の袋が開いている・・・・ほんと、色んな苦情の数々に毎日悩まされている。もちろんフロントから怒られるのは私の仕事。
何せ、人手が足りない中でやっているので、無理をお願いする事の多いメイドさんたちスタッフにもそんなに厳しくは怒ることは出来ないし、そんなに苦情を出して欲しくないなら請負金額上げて優秀なメイドを雇えるようにしてくれよ!と心底思っているが、これは建前上その金額で請け負っている我が社の責任ではあるので、怒らないといけないのは我が社に対してなのかもしれない。
しかし我が社は我が社で、本社社員である私に任せているのだから、おまえがなんとかしろ!となるわけだ。上司たちがそんなに無能だとも思っていないが、苦しい雇用情勢とはいえ、満足な人数を用意できないで責任を押し付ける我が社に対しては無能呼ばわりだってしたくなるってモンだ。そもそもが、メイドに払う賃金が安過ぎる。こんなんで良い人が雇える筈がない。いったいどうして、こんな利益も満足に出すことの難しいホテル客室清掃業務を続けるのか、正直理解に苦しむところはある。大手ビルメン会社だって手を引いた現場なんだよね、ここ。・・・・ああ、これ以上文句を言うと私が誰だか特定されてしまうw
メイドさんへの指導だけでなく、様々な対策も考えなければならない。例えば最近では花瓶のゴミが入っていたという苦情を防ぐ為に、各フロアのメイドリーダーは、全客室の清掃に先立って花瓶から全て水を抜け、という指示を与えた。多少面倒でも、水は毎日換えることになっているのだから、絶対に手を抜かせないための策である。他コップは未使用であろうとも全て洗い場となるバスルームへ持っていくことを義務付けたり、ホコリが溜まるのを防ぐ為、必ずベッドメイクから先にするように指導したり、髪の毛クレームを減らす為に、最終チェック時にはコロコロを義務付けたり、と苦情の種類によって様々である。
特に髪の毛は非常に厄介である。人間の毛髪は毎日何十本も抜けると聞いた事があるが、人が泊まる限り絶対に髪の毛は部屋に落ちる。それを掃除機がけや拭き掃除で取っていくわけなのだけども、カーペットの毛に絡みついた毛髪は取りきることは非常に困難である。あと、髪の毛は注意深く観察しないといくら視力が良かろうとも非常に見難い。頭に頭巾を被ってたって、清掃中にメイドさんだって髪の毛を落とす。その上、空気中に待った髪の毛があると、それはしばらく空気中を漂い、直ぐには落ちてこない。あるいは、バスルーム内の壁に付着した髪の毛は、時間がたって乾くと落ちてきたりするので、バスタブチェック時になかったはずの髪の毛があったりして苦情になることもしばしばある。よくホテル客室清掃では髪の毛1つ許されないとか言われるけども、実際のところはそれは不可能だといってよいと思う。
厄介なものまた別の1つには臭いがある。外国人に多い香水臭などは、一日窓を開放しても取れないこともしばしばある。酷いのになると、部屋中でおそらく香水をスプレーしまくったのであろうが、客室ドアを開ける前からフロア全体に香水臭が漂っていることすらある。消臭剤や脱臭器でどんなに頑張っても一日では取りきれないことも良くある。あるいは冷蔵庫で漬物を保管する人がいて、どんなに内部を拭き掃除しても取りきることが出来ず、なくなく予備器と交換ということもある(予備台数はほんの少ししかないし非常に面倒なのだ!)。
ともかくも、ほぼ毎日苦情があり、それと戦っている日々なのだけど、最近はそれをわざわざネットクチコミ情報としてかかれてしまい、トリップアドバイザーなどに書かれたら全世界公開状態となる。ホテルとしてはクレームは当然今後に生かす為、どんな些細なクレームでも、全てこっちに言ってくる・・・マジでね、ホント大変なんだから。
あと大変なことの1つに・・・・それはまた別の機会に書くとしよう。とにかく、クレームについてはこのブログに何度も書くことになると思う。誰かホント責任者変わって欲しいwww