ホテル客室清掃のお話。

ホテル客室清掃についての色々な話を、現場作業から現場責任者、担当者まで経験してきた人が語るっていうブログです。

爆買い中国人観光客は別に悪くない

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という記事を増田で書いたのは私であるわけだが、多少強調し過ぎの傾向はあったと反省している。外国の人をそのイメージだけで見てしまうと、手痛い目に会う。

 

それは日本人においてさえもそうで、例えばクレームを出す大半は確かに日本人が多いのは傾向としてはそうなのだけども、細かいクレームを出す欧米人だっているので、油断してはいけない。この前なんか、ベッドをわざわざ動かして、その下や隅までチェックしてクレームを付けてきたアメリカ人観光客がいらっしゃった。いやいや、流石にあれは参った、何部屋もルームチェンジさせられたんだからね。フロントさんもお疲れのようであったし、こっちも怒られる事はなかった。

 

確かに近年、中国人観光客は目だって増えている。ま、台湾人なのか中国人なのか区別はこっちでははっきりとは分からないけど、ホテル周辺をぶらぶらしてても明白で、数年前まではこんなに中国語を街中で聞くことはなかったと思う。お店だって店内アナウンスで中国語を流してるなんて普通のことになってきた。もしかして買い物してる大半は中国人ではないかとすら思うこともある。お店も中国人様様だろう、きっと。

 

それがここ観光地経済効果に占める割合は知らんけども、何はともあれたくさんお金を落としてくれてはいるみたいだから、アベノミクスに疑問符の付く昨今の日本の経済情勢の中、爆買い中国人観光客はある意味神様仏様みたいなものだと思うね。

 

このホテルだって中国人観光客がこれだけ増えなかったら、こんなに稼働率は上らなかったろう。館内も中国語案内だらけだし、フロントさんも数人中国語のできる人を雇ってるくらいだ。なにやら聞くところによれば、中国もそろそろバブル経済崩壊の兆しみたいなところも感じられるそうだけども、かといってこれからまた日本が中国をGDPで追い抜くなんて少なくともあと百年くらいはなさそうだし、いろいろな意味で中国とは仲良くしていかなければならんと思う。なのに日本のネトウヨ・・・はどうでもいいかw

 

ただだからこそ、日本も負けてられない部分は一杯あると思う。例えば品質だ。今のところ、ありとあらゆる商品の品質でおそらくその大半は日本が勝っていると思う。当然、中国だって頑張っているだろうけど、量で負けても質では負けて欲しくない。できることなら絶対中国には真似出来ないほどのクオリティを目指して欲しい。ていうか、おらっちも自分の仕事について心の中ではそう思ってたりするんだw

 

そりゃぁね、日本一のクオリティは帝国ホテルに譲ろうとは思うけど(あんなの勝てる気はしない)、ていうかこの地域一番も○○○ホテルに譲るけどさ、せめて「2位じゃダメなんですか?」じゃないけど、それくらいの品質は目指したいと思ってる。あんまり無茶に頑張る方ではないけど、「それが夢」くらいの気持ち。ともかく品質みたいなところで負けないようにしないと、中国はおろか世界中からお客さんは来なくなってしまうんじゃないかな、と。

 

で、中国人について、色んな人がいて全てが全てではないと増田でも断ったように、それを踏まえた上で敢えて言うと、増田で書かなかったことのひとつに、お金に厳しいというのがある。これは観光客の話ではなく、ここホテルでメイドしてくれるスタッフについてだけど。ていうか、その前に説明しておかないといけないのは、やっぱり客室清掃メイドで日本人を雇うのは厳しくて、多くの外国人に頼らざるを得ない。これはおそらくどこのホテルでも似たようなものだと思う。このホテルでも、中国人を初めベトナム人、フィリピン人など多くの外国人が働いている。

 

でもお金にシビアなのはダントツで中国人。何せ、賃金が安いと判断するや、即効で辞めてしまう人が多い。ある意味、金銭感覚に非常に鋭いとでもいうか、先ずはお金が先である、とでも言うか。無論日本人だって、お金は大事なことだとは思うけども、割としがらみみたいな部分を大事にしたり、職場の雰囲気や仕事の内容とかで判断する人も結構いると思う。でも、中国人は先ずお金だ。中国人以外の人だって、半ば出稼ぎに来ているところはあるだろうから、お金で判断するというのはあるかもしれないが、人情的な部分を大切にする人も多い。しかし中国人はどうもそうではない。その辺非常にドライなところがあるような気がする。

 

繰り返すけど、中国人全員が全員そうであるというわけではない。うちのホテルで働く幾人かの中国人メイドスタッフには大変助けられている。人が足りない時は自分から応援を申し出てきたりするし、そこそこ優秀で、清掃品質も日本人と変わらない(ていうか、清掃品質は別に国籍で変わるわけじゃないと思ってる)。あと、中国語はさっぱり分からないので、中国人宿泊客相手に中国人スタッフは欠かせないという意味で物凄く助かってるw

 

というわけで、増田に書いた内容に追加したみたいな記事を終わる。以上。