ホテル客室清掃のお話。

ホテル客室清掃についての色々な話を、現場作業から現場責任者、担当者まで経験してきた人が語るっていうブログです。

たまにはメイド視線で。

このブログは、あくまでも自分が責任者であるので、責任者の立場から色々なことを書いてきたのだけど、たまにはメイドの立場に立ってみようと思う。

 
というか、今日、どうしても人が足りず、止むを得ずメイドをやったんだ。責任者しながらメイドというのは、私のホテルでは結構大変。ある意味雑用みたいなことばかりだけど、責任者でなければできない仕事が山のようにあって、それをやりながらメイドだから、大変なのだ。
 
でも、メイドさん達も大変な仕事だなぁとつくづく思う。うちのホテルは何回か書いたけど、結構ライバルが多いというか、よそのホテルと評価で競争してるところもあるから、そこそこ厳しい環境だ。そういう中でやってるから、余計に大変だ。ちょっと油断すると不備になるような事がいくらでもある。今日も一件、巻き込みがあった。ほんのちょっとした油断なのだ。そういう不備になり得るような事が沢山ある中でハードな肉体労働してるわけで、そんな厳しい仕事なかなかないと思う。
 
私の会社では、商業施設やら事務所ビルなどの日常清掃現場なんかあったりするけど、どう考えたってそっちの方がはるかに楽だ。うちのホテルにもパブリック清掃と呼ばれる、そうした日常清掃の人が別会社でいらっしゃるが、はっきりとメイドさんたちはその人達を見下してるからね。私が見てたって、のんびりやってるようにしか見えないもの。
 
さて、それはそれとして、今日は試しに、どうやったらメイド作業をもっとスピードアップ出来るか、考えながらやってみた。前にも書いたけど、「その位置で出来ることは出来る限り何でもやり、移動を減らす」と言うのがスピードアップのコツだとは頭では分かっているが、これがなかなか難しい。
 
例えば、デスクの上を清掃するとする。すると、デスクの上にあった使用済みグラスなどの食器はバスルームに持っていく必要があるし、或いはデスクの上が汚れてたらバスルームに行って濡らしたタオルを用意しないといけないし、引き出しの中に備品の欠品があったらその備品を取りに行かないといけないし、デスクの上を掃除するだけでも何度も移動を強いられてしまう。だから、部屋の中を一体で考えて、グラスを手に取りつつデスクの汚れも確認して、グラスをバスルームに持っていくついでに濡れタオルも準備する、そしてそのままバスルームの清掃をして、使用済みタオルやあるいはベッドシーツなどを回収して外に出すついでに備品を取りに行って、そしてデスクに戻ってデスク清掃を再開するとか、そうした流れを即座に臨機応変に考えないといけない。
 
多分、清掃の早いメイドさんは、もうそうした臨機応変さが身に染み付いててほとんど考えずに反射的にできているのだろうと思う。広い部屋になればなるほど、或いは物が多い部屋になればなるほど、できるだけ即座に部屋の状態を適切に判断して、流れるように動く、今日はそんなことを考えつつ、3部屋同時にやってみたんだ。もちろん責任者業務もその間にいっぱい挟まった状態で、だ。馬鹿みたいに、3部屋分のシーツやデュベ、タオルなどをいっぺんに運び込み、ベッドから始めて、バスルーム、その他の清掃を3部屋をぐるぐる回りながら掃除機がけまでやってみると、多分、今までより一割ほど時間短縮が出来た気がする。測ってないけどね。
 
但し基本は、やっぱりベッドメイク。客室清掃やってる人なら異口同音にスピードアップの基本はまずはベッドメイクをなるべく早くできるようになることだというが、その通りだ。上で述べた流れるような作業は、実際かなり集中して考えてやってみたものの、例えば持って来るべきものを忘れてしまったりなどのロスがあり、場数を踏んで経験を積まないとなかなか身につかないと思う。ベッドメイクももちろん場数を踏まないといけないけども、早くやろうと努力する意志があれば多分誰でもある程度は上達すると思う。
 
でもメイドってホント大変。責任者であるはずの私がだ、不備一歩手前で助かった。一室だけタオルがまったく入ってなかったんだ。たまたま他の用事でバスルームに入ったから気付いたけど、冷や汗モンだわ(笑)